きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

ニューなのはな運転終了 お座敷外房号に乗る

乗車日:2016.7.3

 JR東日本千葉支社は,本年8月を以ってお座敷列車などの観光列車で運用されてきた485系改「ニューなのはな」を運転終了すると発表しました。そして7月から8月にかけて房総・伊豆の各方面に臨時列車を設定しました。

 そこで7月に小湊鉄道いすみ鉄道を使って房総半島を横断した際の帰りに,このときに設定された「お座敷外房」号に乗ってきました。

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 「ニューなのはな」は485系電車の改造車で,客車で運用されていた「なのはな」を置き換える形で1998年に運用開始しました。ボックスシートが配された座席と,畳がひかれた掘りごたつ式お座敷列車とが切り替えられるユーティリティ性の富んだ車両です。

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 車内はこんな感じです。お座敷タイプなのと乗客の入れ替わりが少ないという特性上からか,横になって寝たり一升瓶持ち込んで宴会したりするくらいなら全然OKなくらいのフリーダムっぷりです。テーブルと座席でわりと広めの面積を占有するので車掌さんも検札に一苦労のようす。

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 外装も見た目も一見まだまだ現役という感じの「ニューなのはな」ですが,畳やテーブルには長年の傷が……。種車は1970年代製造の485系181系で,足回りの経年劣化も相当あるのでしょう。

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 お座敷外房号は新宿~安房鴨川間で運転。いすみ鉄道や鴨川方面へのびゅうツアー商品向けに設定された列車で,車内はほとんどがツアー客でした。一般向けにも販売はされていましたが,ほとんどツアーで押さえられていたと思われます。今回は偶然えきねっとを見ていたら空いていたので購入できました。

 安房鴨川から新宿まで3時間半というのはかなりの鈍足で,大原などで長時間停車を行って特急を2本退避しています。しかし車内で宴会を開くなど,旅仲間との楽しい思い出を作るには長すぎず短すぎずのちょうどいい長さの乗車時間となっています。そして総武快速線内はほぼ各駅に停まり,千葉市から23区までの広いエリアの旅客を拾っていました。


 「ニューなのはな」の後継車両などについては発表されていません。最近のJRのジョイフルトレインといえば,JR九州の「ななつ星」に続いてJR東日本の「四季島」やJR西日本の「瑞風」など,富裕層向けの高級リゾート列車ばかりで,とても一般市民には乗車できません。リゾート列車がブームになり,「移動そのもの」に価値が求められてきている中で,お座敷列車というのは時代に見合わなくなってきてしまったのでしょうか?

 「ニューなのはな」は8月27~28日運転の団体臨時列車「ありがとうニューなのはな 南房総乗りつくしの旅」を以って9月25日運転の団体臨時列車「ありがとう485系ニューなのはな長野への旅」*1を以って運転を終了します。

*1:2016/08/25追記。このたび新しく設定されたそうです。廃車回送を兼ねた団体臨時列車か?

富山ライトレール・富山県営渡船・万葉線回遊ルートで富山~高岡小旅行

 乗車日:2016.7.14

 富山県富山市周辺はさまざまなモードの公共交通機関があり,あっちに乗ろうかこっちに乗ろうかと目移りしてしまうエリアです。今回はこのエリアで簡単にいろんな乗り物に乗ってみたかったので,富山から岩瀬浜,越ノ潟を経由して高岡を目指す回遊ルートで小旅行をしてみます。

 この回遊ルートでの観光は万葉線がパンフレットを作成していて観光ルートの形成を図っている感じがします。そのパンフレットは万葉線会社のHPからは見当たりませんでしたが,pdfそのものは生き残っていました。観光案内に接続時刻表も掲載されていてわかりやすいです。 


 今回の旅行ルートはこんな感じです。富山駅を出発してライトレールで岩瀬浜へ,バスと渡船に乗り換えて日本海沿いを西へ。富山新港を横断して越ノ潟から万葉線で高岡に向かいます。

富山ライトレール 富山駅北→岩瀬浜

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 まずは富山ライトレールの起点,富山駅北からライトレールに乗車して岩瀬浜を目指します。富山ライトレールは2006年にJR富山港線から転換しLRT化した路線。このLRT化によって富山駅付近では道路上を軌道で走り,低床電車化でバリアフリーに。さらに運行本数が増加してJR時代に比べて大幅に利便性が向上して注目を集めました。 

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 富山市の中心部は駅の南側で,主たる改札口も南口,バスターミナルも南口です。そのため富山ライトレールは若干不便なところにターミナルが設置されている状況ですが,今後のとやま鉄道線(旧北陸本線富山駅の高架化に合わせて富山地鉄の軌道線と接続する予定で,今後の動きにも注目です。

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 LRTのカタチをしていますが,ほとんどが富山港線の活用でしっかりした鉄道線。路面電車でも60km近い速度で走ります。福井鉄道でもそうだったんですが,小柄な路面電車が鉄道線で爆走してる迫力感がたまりません。

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 20分ほどの乗車で終点岩瀬浜に到着。岩瀬浜からは水橋に向かうフィーダーバスがノンステップで接続されています。幹線の富山ライトレールに接続する支線交通であるフィーダーバスを運行することによって,ライトレールを軸とした広域的な交通網が確立しました。これは全国でも珍しい先進的な交通形態になっています。フィーダーバスは岩瀬浜のほかに蓮町駅から富山市和合町の中心部である四方(よかた)に向かう路線があります。

きときとバス 海王丸パーク・ライトレール接続線 岩瀬浜駅→新港東口

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 岩瀬浜からは射水市コミュニティバスきときとバス」に乗り換えて渡船乗り場の新港東口を目指します。岩瀬浜富山市内ですが,射水市コミュニティバスが乗り入れてやってきます。このライトレール接続線は越ノ潟にある海王丸パーク・きっときと市場と岩瀬浜を結ぶ路線で,1日4往復・土日のみの運転。運行形態からしてライトレールからの観光客の利用を目的としていそうです。

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 とはいっても,この日の乗車は自分のみ。この日全体の乗車旅客数も1桁台のようで先が思いやられます。

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 バスは西へ進み射水市へ。富山市内~岩瀬浜までバス停はなく,射水市内は降車のみ。一種のクローズドドアシステムになっています。

 この路線には公共交通として問題がありそうです。射水市内では他のコミュニティバスと同じ経路を通るのでバス停がけっこうあるのですが,バス停に旅客が待っていても当然通過。そんな光景を結構見かけました。長距離の路線で運賃が違っていることがクローズドドアシステムの理由なのかもしれませんが二段運賃にするなどの対策は出来たはずで,これをもとに空気輸送状態なバスを見るとなおさら経営的に下手くそだなーと感じざるを得ません。

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 まあそんなことを感じつつ,堀岡の集落ごしに新湊大橋が見えてくると,富山県営渡船の堀岡発着場に到着です。運転手に運賃500円を手渡して下車。バスはさらに対岸の海王丸パークに向けて発車していきました。

富山県営渡船(越ノ潟フェリー) 堀岡→越ノ潟

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 堀岡発着場。集落の中にあるのですが,日曜の午後ということもあって人影は釣り人くらい。そして古びた発着場の建物から醸される場末感がすごい。ここから渡船に乗って対岸の越ノ潟を目指します。

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  富山県営渡船は1966年の富山新港の開削に由来します。かつて富山~四方~越ノ潟~新湊間に富山地方鉄道射水線という路線がありました。現在の越ノ潟駅のあたりに放生津潟*1という潟湖があり,1966年にこれを利用して富山新港を開削しました。開削の結果,鉄路は分断。高岡側が加越能鉄道,現在の万葉線へ譲渡。そして分断区間の鉄道線を連絡する目的で富山県営渡船の運行が始まりました。

 渡船に乗り込みます。堀岡からは私含めて数人が乗り込みます。

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 心地よい潮風を浴びながら越ノ潟を目指します。この新湊大橋は渡船とほぼ同じルートで建設され,2012年に開通しました。さきほど乗った射水市コミュニティバスきときとバス」も,一部路線がこの橋を通ります。一般的に,架橋によって渡船は廃止されることが多いですが,この巨大な橋の高低差は徒歩客にとって不便であるためか,渡船は未だに運行されています。

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 富山新港は日本海側の重要な貿易拠点である富山伏木港を構成する港の一つ。大型のコンテナ船が見えました。東海北陸道の開通によって東海地方からの港の需要も増してきています。

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 そんな景色を見ながら渡船は3分ほどで越ノ潟に到着。とても短い船旅でしたが,この3分間に凝縮した富山の交通の歴史の息吹を感じ取れた気がして非常に有意義でした。

万葉線 越ノ潟→高岡駅

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 越ノ潟から接続する万葉線に乗って高岡を目指します。万葉線の超低床電車アイトラムブレーメン型と呼ばれるタイプのLRVで,富山ライトレール福井鉄道FUKURAM)と同様のものです。

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 万葉線の車窓は面白いです。越ノ潟から電車に乗ってみると,工場や運河にボートが並ぶ港湾地域の光景から,昔ながらの街並みを抜け,高岡に近づくと町がどんどん賑やかになっていきます。これほどめまぐるしく変わる景色を楽しめる路面電車は他にあまり無いんじゃないでしょうか。

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  終点高岡に到着。富山から2時間強の小旅行でしたが,富山県のさまざまな乗り物や歴史とその景観を楽しめた良い旅行でした。

*1:別名を越ノ潟という

韓国鉄道(Korail)の入場券

乗車日 2016.6.11

 韓国鉄道においても入場券が存在します。

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 水原(スウォン)駅で発売された入場券(입장권)です*1

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 入場券は中長距離列車の乗車券券売機で発券しました。韓国語は読めないので英語で操作しています。右下の EntranceTicket が気になり操作したところ,料金を支払うことなく発券されました。

 韓国鉄道では首都圏電鉄などの近郊電車や地下鉄には完全IC専用の自動改札機があります*2が,中長距離列車のホームの入口には改札がなく,代わりに駅間ごとに車掌がやってきて検札をしています。とはいえ,ホームの入口には日本でいう改札内と改札外を明確に分ける線が描かれ*3「ここから先はきっぷを持った人だけが入れます(意訳)」などと書かれていますが,実質的には誰でも駅構内に入り放題です。

 そんなわけで入場券をわざわざ発券する旅客は少なそうですが,「改札は無いけどホームは制限区域だよ」という制度上から発券しているような感じがします。なお,規則上はホームに入場する場合は入場券(500ウォン)を必要としていて,入場券を持たずにホームに立ち入ると不正乗車が適用されます*4。また他駅で水原駅と同様の扱いがされているかは未確認です。

 以下はGoogle先生による券面の翻訳です。手打ち機械翻訳かつ意訳なので間違っているかもしれませんが悪しからず。

入場券
水原駅(Suwon) 
利用日:2016.06.11.(土). 当日
 
<お客様順守事項>
  1. 列車の中で見送るのは非常に危険なので,列車に絶対乗車しないでください。
  2. 入場券を所持して列車に乗車する場合には,鉄道事業法第10条によってウォン運賃と10倍の付加運賃を収受します。

        水原自動

 

 

*1:緑色っぽい地紋の券面ですが,スキャンの関係で黄色っぽくなっています

*2:1回限りの片道利用でも使い回し式のICカードが用いられる

*3:国鉄道ではその線から内側のホーム・乗り場・列車内を運賃区域(有料区域)と言います

*4:韓国鉄道公社旅客運送約款第24条

1559列車 ムグンファ 龍山→水原 立席乗車券

乗車日 2016.6.11

 日帰り韓国旅行中に少しだけ列車に乗りたかったので乗り鉄してきました。ターゲットは機関車牽引の客車列車であるムグンファ。午前中にソウル市内観光を軽くしてから,首都圏電鉄(ソウル地下鉄)に乗って龍山駅へ。時間がちょうど余ったので駅のフードコートで朝鮮式冷麺を喰ってからきっぷを買いに行きます。

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 龍山(ヨンサン)はソウル駅と同様に韓国国内各地へ向かう多くの列車の始発駅となっていて,ターミナル機能をソウル駅と龍山駅で二分している感じです。今回はこの駅から韓国中西部の益山(イクサン)へ向かうムグンファ号に乗車します。

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 龍山で発車待ちの益山行き1559列車ムグンファ。

 ムグンファは列車種別のひとつで,JRの急行のような感じ。韓国では動力集中方式が根強く,ムグンファのような客車列車も未だに多くあり,日本ではほとんど失われた客車列車の旅が容易にできそうです。

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 ムグンファの車内。標準軌の客車なので2列+2列のシートではかなり広々。ムグンファの客車はダンパーを装備していて,客車列車特有の発車時の衝動がなくかなり快適そう。

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 さてこちらは龍山駅の自動券売機で購入したムグンファの乗車券*1。今回はソウル首都圏郊外の水原(スウォン)を目指します。ただ乗車券の中央右に「1호차 입석(1号車立席)」とあるように私の乗る列車は満席で席がありません。基本的に韓国の中長距離列車は全列車指定制で,発券時にあいにく乗りたい列車に空席がありませんでした。仕方ないので編成に1両あるフリースペース的なところで過ごすことにします。

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 フリースペースはみんな座って休みたいので壁側は人でいっぱい。立席の乗車券を受けた旅客はほとんどこのフリースペースで過ごすようで,この1両だけは他の車両に比べて地獄の様相を呈しています。ちなみに駅に改札が無いので,こんな車内でも車掌がちゃんと一人ひとりのきっぷを検札してきます。

 並走する首都圏電鉄1号線の電車を眺めながら*2乗車すること30分,2つ目の停車駅の水原に到着。座っていれば良かったんでしょうが,ほぼ徹夜明けの体でずっと立ちっぱなしだったので思ったよりキツかったです。

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 水原は水原華城で有名な都市ですが,駅から少し離れていたので行くのはやめて少し休憩などしたあとに首都圏電鉄1号線で義王駅まで戻って韓国の鉄道博物館を見に行きました。

*1:緑地の乗車券だがスキャンの関係でオレンジ色っぽく写っています

*2:この辺りは東京あたりの鉄道で例えると東海道線から京浜東北線を眺めているような感じです

韓国日帰り旅行の可能性を広げた Peach MM1009~MM1008便 搭乗記

 格安航空会社PeachAviationは2月6日より東京羽田=ソウル仁川間で1日1往復の航空路線を就航させました。プレスリリースによると,関西=台北桃園・ソウル仁川間や羽田=台北桃園間が好評であり,夜間早朝発着便を活用した日帰り海外旅行スタイルの定着が就航のカギだったようです。そんな羽田=仁川間のPeach便の2016年6月のダイヤは以下のとおりです。

  • MM1009 羽田 0200 → 仁川 0425
  • MM1008 仁川 2240 → 羽田 0045

 このダイヤが設定されたおかげで日帰りでもソウル市街で約14時間の観光ができるようになりました。一方で最大2時間25分の搭乗時間で睡眠時間は確保できるのか?空港からの手段はあるのか?かなり無理矢理な設定でもあります。

 先日このPeach MM1009/8便に乗って韓国日帰り旅行に行ってきました。


 搭乗日 2016.6.11

 MM1009便 羽田→仁川

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  金曜日の退勤後速攻で帰宅し2時間ほど仮眠したのち京急の終電で羽田空港へ。この時間の羽田空港はとても静かです。

f:id:ashizin:20160620202157j:plain その静かな空港で行列ができているチェックインカウンターはほとんどが夜間早朝の空き時間を活用したLCC便のカウンターで,Peachももちろん例外ではありません。

 今回は日帰り旅行なので,国内日帰り旅行での持ち物にパスポート・電子辞書・ガイドブック等を加えただけで荷物は手軽。いちおう機内持ち込み手荷物は10kgまでの規制があるのですが,その手荷物明らかに軽いだろと思われたようでチェックイン時に量られることなくチェックイン完了。

 搭乗1時間くらい前に出国審査を通過しましたが,制限区域内はほとんどの店が閉まっていて暇つぶしといえば寝るかテレビを見るかくらい。羽田の制限区域内のベンチには携帯充電ポートとコンセントが多くついているのに携帯の電池に困らないのが助かります。

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 さて,時間になり機内に乗り込むと乗客の多くは圧倒的に女性。今回も男一人旅なので若干肩身の狭い思いをします。ただでさえ狭い機内なのに(苦笑) 未だに韓流ブームとかあるんですかね。

 さすがに深夜2時発の便ということで,ドアクローズ前から就寝するお客様多数。着席即就寝って感じですね。ブランケットをかけて寝てる乗客が多いので乗務員がシートベルトの確認をするのにかなり手間取っていました。

f:id:ashizin:20160620203724j:plain シートベルトサインが消えた後に車内販売が一通り行われ,離陸1時間後くらいに室内の減灯が行われました。ここで消されてもあと1時間半くらいで到着なんですがそれは……。この辺で筆者もようやく眠りに落ちて気付いたら着陸間際の頃でした。

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 MM1009便はイミグレーションからかなり遠いゲートに到着するので,朝4時の仁川国際空港をひたすら歩きます。動く歩道があって便利なのですが徒歩5分~10分くらいはかかったような気がします。

 受託手荷物はないのでターンテーブルをスルーし,早朝でガラガラの出国審査もすんなり通過。税関も申告書を渡すのみで5時前には到着ロビーに居ました。

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 ソウル駅へ向かう空港鉄道の初電は5:20。空港内で両替とかwi-fiの受取りとかやっていたら初電にいい感じに乗れるんじゃないでしょうか。初電は早くて快適だが値段の高い直達列車で,私はそれほど急いでいなかったのでその後の普通列車に乗ってソウルへ向かいました。


 

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 この日私は午前中にソウル市内観光,午後に軽く乗り鉄鉄道博物館訪問,ゲーセン訪問などをして過ごしました。空港から市街への移動時間やチェックイン時間などを考慮しても約14時間の滞在時間があるのでフルで活用しようと思っていましたが,トータルでも3時間しか寝れなかったこともたかって,午後にはヘロヘロになっていました。睡眠大事。


  MM1008便 仁川→羽田

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 21時頃に仁川国際空港に向かい,チェックインを済ませると係員から「搭乗口はかなり遠いので気をつけて下さい」と言われました。それもそのはず……

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 仁川国際空港は出発・到着ロビー1箇所に対してターミナルが別々で2棟あり,MM1008は離れたターミナルから出発。離れたターミナルへはシャトル・トレインに乗車して向かうことになります。

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  シャトル・トレインはこんな感じ。新交通システムによる列車と思われ,座席が数人分しかない2両編成のゆりかもめと思うとわかりやすいかと。

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 こうして搭乗口に着くと今夜のMM1008便の機材がよく見えました。ゆきのMM1009便と同じタイプの機材です。帰りの便もほぼ満席。この日は定刻でゲートを離れたものの,出発便が多く離陸待ちがあり20分ほど遅れて離陸。

 飛んでからは往路と違って旅行疲れですっかり爆睡でした。爆睡といっても2時間の短いフライトで,気を失って気付いたら羽田に居たような感覚でした。羽田には深夜1時すぎに到着。

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  帰りも手荷物を預けなかったのでターンテーブルをスルーし,ガラガラの入国審査を通過。地味に厳しい日本の税関も日帰りと言ったところバッグの中身を見られることなくスルー。

 しかしそんなに早く空港を出たところでここからの足がありません。京急東京モノレールともに終電発車後で,公共交通機関は以下のバス路線のみです。

  • 1:55発 東陽町・葛西・一之江
  • 2:15発 品川・台場
  • 2:15発 大鳥居・蒲田・川崎
  • 2:20発 新宿・池袋
  • 2:20発 六本木・渋谷・二子玉川
  • 2:20発 横浜・みなとみらい 

 私は都内在住ですが行けてせいぜい新宿までだったので素直に空港野宿を敢行しました。出発・到着ロビー共にすでに深夜早朝便に搭乗する(した)乗客でいっぱい。出発ロビーの端っこにある24時間営業のフードコートあたりは若干空いていてそこで仮眠をとりました。床の上で寝たので全く疲れが取れず,モノレールの初電で自宅に帰った後は昼過ぎまで寝てしまいました。


 韓国へは今回が初渡航。韓国には大して興味がなく,旅行はしたいけど1泊するほどの行程でなくても……,という感じだったのでこのMM1009/8便は自分の背中を強く押してくれました。比較的格安で異国の文化を日帰りで感じることが出来たことの価値は大きいと思います。一方で日帰りでは体力的な負担が大きいうえに,かえり羽田着後の交通手段が無いという問題もはらんでいます。極端な深夜早朝運行と最低限のサービスでも問題ないよという方には是非オススメしたい便です。

 ちなみに渡航1週間前に予約した今回の航空券の値段は以下のとおりです。

 MM1009 22,150円
 ┗座席指定 850円
 MM1008 8,360円

 ATM払い手数料 1,100円
 合計 32,460円

多彩な姿を見せる福井の鉄道(4) ――福鉄レトラムに乗る

訪問日 2016.5.28

 福井鉄道の高架を見学して福井駅に戻ったあとは,昼食を挟みつつ西口の”福井駅”駅へ。ドイツ・シュツットガルト路面電車として走っていたF10形735号”レトラム”に乗車します。

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 ヒゲ線が走る駅前電車通りをゆっくり走るレトラム。この日本の地方都市にありがちな商店街にヨーロッパのトラムが走ってくるというミスマッチさ。だがそれが良い。

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 福井駅に到着してF1000形”FUKURAM”と並ぶレトラム。F1000形はドイツのメーカーの技術供与を受けた新潟鐵工所の製造で,どちらもドイツに所以のある車両。

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 車内はこんな感じ。日本の仕様に合わせて一部仕様が変わっているようですが,それでも異国情緒がかなり漂っています。路線図やドイツ語表記のサイン類も多く残っています。

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 運転台。日本ではあまり見ないコックピット配置。左手で力行と抑速?,右手でブレーキを操作するようで,特殊な操作が必要に見えます。

 このレトラムに乗って鯖江方面へ。車掌さんが肉声で次駅案内をしたり乗降時のステップを下ろしていたりなど気になる点はいくつかありましたが,特に気になったのは鉄道区間で速度を出したときの揺れが大きかったこと。鉄道線区間は急行なので50~60kmで走っているのですが,軌道がヤバイのか台車がヤバイのか知りませんが飛び跳ねるように走行していて凄かったです。

 それにしても,先行の急行が立ち客が出るほどの乗車率だったのにもかかわらず,この日のレトラムの乗客は数えるほどでした。レトラムは観光資源として鉄道ファンを呼び寄せるために県が修理費込みで購入した車両。この車両の行く末が少し心配です。

 レトラムは非冷房車のため,春・秋の土日を中心に運行されています。