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はいいろノート

マニアックな公共交通の使い方と、その実践。

富山ライトレール・富山県営渡船・万葉線回遊ルートで富山~高岡小旅行

フェリー・渡船 路線バス 地方鉄道 旅行記

 乗車日:2016.7.14

 富山県富山市周辺はさまざまなモードの公共交通機関があり,あっちに乗ろうかこっちに乗ろうかと目移りしてしまうエリアです。今回はこのエリアで簡単にいろんな乗り物に乗ってみたかったので,富山から岩瀬浜,越ノ潟を経由して高岡を目指す回遊ルートで小旅行をしてみます。

 この回遊ルートでの観光は万葉線がパンフレットを作成していて観光ルートの形成を図っている感じがします。そのパンフレットは万葉線会社のHPからは見当たりませんでしたが,pdfそのものは生き残っていました。観光案内に接続時刻表も掲載されていてわかりやすいです。 


 今回の旅行ルートはこんな感じです。富山駅を出発してライトレールで岩瀬浜へ,バスと渡船に乗り換えて日本海沿いを西へ。富山新港を横断して越ノ潟から万葉線で高岡に向かいます。

富山ライトレール 富山駅北→岩瀬浜

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 まずは富山ライトレールの起点,富山駅北からライトレールに乗車して岩瀬浜を目指します。富山ライトレールは2006年にJR富山港線から転換しLRT化した路線。このLRT化によって富山駅付近では道路上を軌道で走り,低床電車化でバリアフリーに。さらに運行本数が増加してJR時代に比べて大幅に利便性が向上して注目を集めました。 

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 富山市の中心部は駅の南側で,主たる改札口も南口,バスターミナルも南口です。そのため富山ライトレールは若干不便なところにターミナルが設置されている状況ですが,今後のとやま鉄道線(旧北陸本線富山駅の高架化に合わせて富山地鉄の軌道線と接続する予定で,今後の動きにも注目です。

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 LRTのカタチをしていますが,ほとんどが富山港線の活用でしっかりした鉄道線。路面電車でも60km近い速度で走ります。福井鉄道でもそうだったんですが,小柄な路面電車が鉄道線で爆走してる迫力感がたまりません。

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 20分ほどの乗車で終点岩瀬浜に到着。岩瀬浜からは水橋に向かうフィーダーバスがノンステップで接続されています。幹線の富山ライトレールに接続する支線交通であるフィーダーバスを運行することによって,ライトレールを軸とした広域的な交通網が確立しました。これは全国でも珍しい先進的な交通形態になっています。フィーダーバスは岩瀬浜のほかに蓮町駅から富山市和合町の中心部である四方(よかた)に向かう路線があります。

きときとバス 海王丸パーク・ライトレール接続線 岩瀬浜駅→新港東口

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 岩瀬浜からは射水市コミュニティバスきときとバス」に乗り換えて渡船乗り場の新港東口を目指します。岩瀬浜富山市内ですが,射水市コミュニティバスが乗り入れてやってきます。このライトレール接続線は越ノ潟にある海王丸パーク・きっときと市場と岩瀬浜を結ぶ路線で,1日4往復・土日のみの運転。運行形態からしてライトレールからの観光客の利用を目的としていそうです。

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 とはいっても,この日の乗車は自分のみ。この日全体の乗車旅客数も1桁台のようで先が思いやられます。

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 バスは西へ進み射水市へ。富山市内~岩瀬浜までバス停はなく,射水市内は降車のみ。一種のクローズドドアシステムになっています。

 この路線には公共交通として問題がありそうです。射水市内では他のコミュニティバスと同じ経路を通るのでバス停がけっこうあるのですが,バス停に旅客が待っていても当然通過。そんな光景を結構見かけました。長距離の路線で運賃が違っていることがクローズドドアシステムの理由なのかもしれませんが二段運賃にするなどの対策は出来たはずで,これをもとに空気輸送状態なバスを見るとなおさら経営的に下手くそだなーと感じざるを得ません。

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 まあそんなことを感じつつ,堀岡の集落ごしに新湊大橋が見えてくると,富山県営渡船の堀岡発着場に到着です。運転手に運賃500円を手渡して下車。バスはさらに対岸の海王丸パークに向けて発車していきました。

富山県営渡船(越ノ潟フェリー) 堀岡→越ノ潟

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 堀岡発着場。集落の中にあるのですが,日曜の午後ということもあって人影は釣り人くらい。そして古びた発着場の建物から醸される場末感がすごい。ここから渡船に乗って対岸の越ノ潟を目指します。

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  富山県営渡船は1966年の富山新港の開削に由来します。かつて富山~四方~越ノ潟~新湊間に富山地方鉄道射水線という路線がありました。現在の越ノ潟駅のあたりに放生津潟*1という潟湖があり,1966年にこれを利用して富山新港を開削しました。開削の結果,鉄路は分断。高岡側が加越能鉄道,現在の万葉線へ譲渡。そして分断区間の鉄道線を連絡する目的で富山県営渡船の運行が始まりました。

 渡船に乗り込みます。堀岡からは私含めて数人が乗り込みます。

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 心地よい潮風を浴びながら越ノ潟を目指します。この新湊大橋は渡船とほぼ同じルートで建設され,2012年に開通しました。さきほど乗った射水市コミュニティバスきときとバス」も,一部路線がこの橋を通ります。一般的に,架橋によって渡船は廃止されることが多いですが,この巨大な橋の高低差は徒歩客にとって不便であるためか,渡船は未だに運行されています。

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 富山新港は日本海側の重要な貿易拠点である富山伏木港を構成する港の一つ。大型のコンテナ船が見えました。東海北陸道の開通によって東海地方からの港の需要も増してきています。

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 そんな景色を見ながら渡船は3分ほどで越ノ潟に到着。とても短い船旅でしたが,この3分間に凝縮した富山の交通の歴史の息吹を感じ取れた気がして非常に有意義でした。

万葉線 越ノ潟→高岡駅

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 越ノ潟から接続する万葉線に乗って高岡を目指します。万葉線の超低床電車アイトラムブレーメン型と呼ばれるタイプのLRVで,富山ライトレール福井鉄道FUKURAM)と同様のものです。

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 万葉線の車窓は面白いです。越ノ潟から電車に乗ってみると,工場や運河にボートが並ぶ港湾地域の光景から,昔ながらの街並みを抜け,高岡に近づくと町がどんどん賑やかになっていきます。これほどめまぐるしく変わる景色を楽しめる路面電車は他にあまり無いんじゃないでしょうか。

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  終点高岡に到着。富山から2時間強の小旅行でしたが,富山県のさまざまな乗り物や歴史とその景観を楽しめた良い旅行でした。

*1:別名を越ノ潟という