きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

きらきら・しらかみ リレー

 9月14日から18日にかけて通常新潟~酒田間を結ぶ観光列車「きらきらうえつ」が秋田までの延長運転を行いました。きらきらうえつが秋田まで延長運転すると,秋田駅リゾートしらかみとの乗り継ぎが可能になります。

きらきらうえつリゾートしらかみ乗継時刻(本記事執筆時点)
  列車 新潟 秋田 青森
下り きらきらうえつ 09:32発 13:47着  
リゾートしらかみ5号   13:53発 19:40着
上り リゾートしらかみ2号   13:27着 08:10発
きらきらうえつ 18:31着 14:07発  

 今回三連休の鉄道旅行の中でリゾートしらかみきらきらうえつの乗り継ぎ旅をしてきました。

リゾートしらかみ2号 青森→秋田

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深浦駅停車中のリゾートしらかみ(右が2号)

 リゾートしらかみは青森~秋田間を五能線経由で結ぶ観光列車です。運転区間内での途中下車や多様な旅行スタイルに対応して,1日3往復の設定があります。今回はリゾートしらかみ2号に乗車して,五能線経由で日本海白神山地の車窓を堪能しつつ秋田に向かいます。

 リゾートしらかみは車内イベントや長めの停車時間を利用した散策など,体験型観光のメニューが豊富なのも特徴の一つ。青森から秋田まで乗り通すと5時間以上の長旅となってしまいますが,極力飽きさせない工夫がされています。

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 千畳敷駅で15分停車。千畳敷駅の眼の前に海岸段丘の隆起によってできた岩床の海岸,「深浦千畳敷海岸」があり,この停車時間を使って海岸を散策することができます。

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 淡緑色のでこぼこの岩が遠くまで広がっている不思議な光景。ゆっくり散策したかったのですが,15分という時間はあっという間で,できるだけ駅の近くで数枚写真を撮って引き返しました。しかし列車の車窓から眺めるだけでなく,自分の脚で気軽に景勝地を訪ねることができるのは大きいですね。

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 日本海沿岸の五能線を走るリゾートしらかみのウリといえばやはり美しい日本海と変化に富む岩礁の光景でしょうか。絶景ポイントでは徐行運転でのんびり写真を撮らせてくれるのでありがたいです。

 ちなみにリゾートしらかみ2号はこの日全区間を通した指定席券は満席でしたが,実際には五所川原,ウエスパ椿山,十二湖あたりで乗降客の入れ替えがありました。五所川原には津軽鉄道線の接続がありますし,ウエスパ椿山や十二湖にはリゾート施設や温泉などの観光スポットもあります。リゾートしらかみ五能線沿線での観光行動に広がりをもたせる大きな役割を担っていることを実感しました。一方で,我々のように五能線を通り抜けて秋田まで乗り通している人はあまり多くなかったように思えました。

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 五能線を走り抜けて東能代奥羽本線に戻り,秋田までひとっ走り。東能代から秋田間は海岸から離れた区間を進み,五能線区間と比べるとどうしても若干退屈です…。

きらきらうえつ 秋田→新潟

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 秋田では40分の乗り継ぎで「きらきらうえつ」に乗り継ぎとなります。40分なので秋田市内への観光はできませんが,売店やデパートで昼ごはんを調達くらいのことは余裕でできます。

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 リゾートしらかみ2号が秋田到着して約20分後,秋田駅に「きらきらうえつ」も到着。「リゾートしらかみ」と「きらきらうえつ」が秋田駅で顔をあわせるのは,一年に数回のこの数十分間だけです(営業列車の場合)。

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 「きらきらうえつ」は2001年に運行開始された観光列車で,今年で運行17年目。今どき少なくなった485系特急電車の改造で,見た目とこぎれいな車内設備とは裏腹に,モータやコンプレッサーの音は重々しく駅に響きます。

 「きらきらうえつ」で秋田延長区間では何かイベントか何かあるのかなと期待していましたが,とくにそういった催しはなく,売店営業も通常営業区間の酒田~新潟間のみ。観光案内などもほとんどなく,象潟の九十九島の車窓もほとんど見逃してしまいました。客層もヲタっぽい人は少なく,ビジネスマンやお出かけ帰りで利用している客も目立ちました。

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 酒田から売店営業が始まり,車内も「きらきらうえつに乗ること」を目的とした旅客が目立ってきます。いよいよ秋田まで延長運転した意味がわからなくなります……。

 笹川流れのあたりで暗くなってきて,村上を出るあたりには真っ暗に。リゾートしらかみからの乗り継ぎでかなりくたくたになっていましたので,ぼーっと暗い車窓を眺めて新潟まで過ごしました。

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 最近高架化されたばかりの新潟駅に到着。新幹線と対面乗り換えができるホームに到着しましたが,乗り換え先の新幹線がホームに入っていないからか,連絡ラッチは利用できない状態になっていました。

乗車雑感

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 青森~新潟(五能線経由)520.6kmを観光列車で乗り継いだ感想ですが,正直後半戦がキツかったです。リゾートしらかみで秋田に着いたあたりまではボルテージ高めでしたが,きらきらうえつに乗ってからは日本海の景色も今まで見てきたものとどうしても変わり映えせず(車窓にうつる仁賀保の風車群や粟島などはよかったですよ),車内イベントもないため正直「飽きてしまった」のは否めません。

 しかし乗車券に指定席券×2で青森~新潟の長距離をのんびり旅行できたのは率直に楽しかったです。青春18きっぷシーズンを外して運転されたので,変なヲタっぽい人も少なく平和でしたし。