きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

伊予灘ものがたり大洲編 乗車記

 「伊予灘ものがたり」は,予讃線松山~伊予大洲宇和島間を伊予長浜経由で運行している観光列車です。2014年から運行開始。風光明媚な瀬戸内海を楽しめる列車で,平均乗車率が85%となるなど,評判は上々のようです。

 今回,中四国方面に用事があり,未乗であった伊予長浜経由予讃線に乗車することも兼ねて,この列車に乗ってきました。

きっぷの手配でちょっとつまづく

 伊予灘ものがたりは時刻表に掲載される普通列車ですが,全車グリーン車のため,あらかじめグリーン券が必要です。私は寝台列車等を除いて「えきねっと」「e5489」等の WEB サイトから列車の指定を取ることが多いですが,「伊予灘ものがたり」は WEB サイトからは予約できないようでした。仕方ないので e5489 の電話予約で指定を取りました。空席情報は JR 四国 WEB サイト に掲載されていてある程度わかりますので,このサイトで空いている列車を見つけてから電話予約となりました。

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伊予灘ものがたり(大洲編)の普通列車用グリーン券

 伊予灘ものがたりの大きなウリとして,車内で提供される事前予約制の食事がありますが,マルスのイベント券収容のため食事の予約は JR 北海道・JR 東海以外のみどりの窓口で(しかも乗車日の4日前まで)しか予約できません。とりあえず e5489 電話予約をして座席の確保をしたあと,きっぷの受取ついでに駅で食事券を発券,と思っていましたが,食事券の購入を忘れてしまい,メシは持参で列車に乗り込むことになりました。。

伊予灘ものがたり 大洲編 松山→伊予大洲

 乗車するのは2往復走る「伊予灘ものがたり」で1番目の列車になる「大洲編」です。松山を8時台に出発する列車で,四国他県や広島県からでも当日出発でも乗り込むのは難しそうな時間帯を運行。事前に確認した空席情報でも一番空いている列車でした。

 筆者は前日広島にいたのですが,この列車に乗るため広島ではなく松山で宿泊しました。

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 松山駅では改札に一番近い1番線から発車。ガッツリ寝坊したので松山駅での写真はこれのみ……。列車に乗り込む際に各乗車口にアテンダントさんが立っており,期待感がかなり高まります。

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 車内はこんな感じ。海側は海を向いたシートと4人がけ席が2つ,山側は2人がけ席が連なるという変則配置。乗り込むと車内のぬくもりと高級感のある内装が良い感じです。

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 「伊予灘ものがたり」は時刻表上は松山~伊予大洲間ノンストップですが,海に近いことで有名な下灘駅に7分30秒停車。普通列車で通り抜けるだけでは下灘駅の写真はほとんど撮れないのでこういうサービスは助かります。ただ,たくさんの乗客が列車と記念撮影をしたりインスタ映えな構図で粘るマニアがいたりして,10分足らずの停車時間では慌ただしさも感じました。

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 伊予灘ものがたり車内では和菓子をオーダー。抹茶つきで1000円。ちょっと値段は張りますが,和菓子をいただきながら瀬戸内海の景色を眺めるのは至福の時間でした。

 この時期は10月下旬でハロウィンの季節だったのでアテンダントさんから一人ひとりにチョコを配布していました。列車が終点に到着する直前にはアテンダントさんからは「今回の旅はいかがでしたか?」と。アテンダントさんの細かい心遣いが嬉しいですね。接客レベルの高さには驚きました。

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乗車雑感

 「伊予灘ものがたり」はその車窓も車内設備もかなり満足できるものなのですが,特によかったと思う点は「人のあたたかさ」を感じられるところです。

 松山を発車してまず松山運転所の職員たちが列車に向かって手を振っているのを始め,沿線では多くの方々が手を振って「伊予灘ものがたり」を出迎えてくれます。また車内ではメッセージカードがおいてあり,アテンダントさんに渡すと車内放送で読み上げてくれます。家族・親友・恋人へのメッセージをきいて他人ながらほっこり。アテンダントさんの接客レベルも高いです。

 そういった「人のあたたかさ」を観光列車という乗り物を通じて感じられるとは思わず,とても良い列車旅になりました。