気の迷いで購入した青春18きっぷの消化旅行のため,年始は南東北へ鉄道旅行。その行程の中で未乗となっていた山形鉄道線の乗り鉄をしてきました。山形鉄道線は赤湯~今泉~長井~赤湯を結ぶ盲腸線。いつものごとく「ショートカット乗り鉄」で乗り潰しにチャレンジです。
奥羽線 山形→赤湯
この日は夜行バスで山形入り。山形の朝はしばれます。山形駅からは山形新幹線が早朝から走っていますので,早朝から待合室などは営業しています。新幹線ホームにある蕎麦屋で温かい「芋煮そば」をいただきます。
ご当地っぽいグルメを楽しんだあとは福島ゆき普通列車に乗車。東京住みで山形に来るときは新幹線か夜行バスで事足りるので,奥羽線(山形線)区間の普通列車は地味に乗車機会の少ない列車です。
福島ゆき普通列車は山形から福島方面の始発列車。車内は山形市内で一晩中遊んで朝帰りを迎える人や,福島方面に早朝から移動する人でボックスシートの席が埋まる程度の乗車率。蔵王やかみのやま温泉などの主要駅では乗降客もぽつぽつ。
30分ほどの乗車で赤湯駅に到着。赤湯駅のある南陽市は赤湯温泉やからみそラーメンで有名ですが,昨年赤湯は訪問済みであることと朝早すぎるので今回はスルー。
山形鉄道線 赤湯→長井
接続する山形鉄道線に乗車します。赤湯を発車した段階では高校生が数人乗っている程度だったのが,赤湯を出て宮内・今泉といった主要駅ではさらに高校生が乗車して混雑。長井市内の高校に通う生徒さんなのでしょう。山形鉄道線は長井経済圏の通勤・通学に欠かせない存在です。
雪深い田園地帯を眺めながらしばらくすると米坂線の線路が近づいてきて今泉に到着。山形鉄道線は旧国鉄長井線の三セク転換路線。今泉や赤湯では今でも共用の駅舎を使い,宮内や長井などの駅は旧態依然のふるい駅舎が未だに現役で使われています。
そんな長井に到着。せっかくなので列車を降りて長井市街を軽く散策してみましょう。
近世,いまのように陸上交通が発達していなかった頃は現在の山形県では最上川が交通の大動脈でした。最上川を使って山形県内の作物や商品などを日本海側に送り,最上川河口の酒田で北前船に載せ換えて物資を全国各地へ。逆に全国各地から北前船で来た作物や商品が最上川を遡って運ばれてきました。その船運の拠点となり大いに栄えた都市のひとつがこの長井です。
長井駅から川のほうに歩いていくと最上川の堤防があり,近世はこのあたりにいくつか船着き場があったそうです。雪で何も見えませんでしたが。そのほかにも街を歩いていると古い瀟洒な洋風建築の医院や学校が目に付きます。かつての長井の街の繁栄っぷりを教えてくれる存在です。
さすがにこの日は朝が早すぎるのと,雪が多すぎて観光に向いていませんので駅から川までの往復をしただけで乗り鉄に戻りました。水と緑と花のまち長井の観光は冬は向いていません。。春の花が咲き誇る長井の街も来てみたいですね。
山形鉄道線 長井→荒砥
さて長井駅から再び山形鉄道に乗車して荒砥へ。長井を中心とすると中心から外に向かう区間になりますので,列車はほとんど人が乗っておらずガラガラ。
荒砥は山形鉄道の車庫機能のある終着駅。私が乗ってきた列車はそそくさと車庫に引き上げていきました。
山交バス 荒砥駅→山形駅前
荒砥駅からは長井市内から出ている山形ゆきの路線バスに乗車します。高速道路などを走らない一般的な路線バスですが,高速バスと同じ車両でやってきました。
荒砥駅の段階で長井からの利用者でバス車内は混雑。荒砥駅を出てからも途中バス停から乗車が続きます。一日数往復しかない路線ですが,山形と白鷹町・長井市を短絡して結ぶ重要な路線なのでしょう。ほとんどの旅客が長井~山形の往復券で利用していました。
バスは峠を超えて山形市内へ。1時間程度の乗車で山形駅に到着。午前中の数時間で手軽に楽しめる列車&バス旅でした。