きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

えちごツーデーパスで越後列車旅

 えちごツーデーパスは,JR 東日本が発売している特別企画乗車券です。金・土・日や年末年始などの2日間,新潟県内の JR 各線・北越急行およびえちごトキめき鉄道が乗り放題となります。

f:id:ashizin:20191110172130j:plain

えちごツーデーパス

 大人2,740円で新潟県内の鉄道に2日間乗り放題というのは,新潟県の地理に疎いとあまり実感が湧きませんが,たとえば直江津・新潟間136kmが片道運賃2,310円であることを考えると,周遊旅行だけでなく新潟県内の都市間移動であっても充分に得な乗車券であることがわかります。有効期限が1日ではなく2日であることも,JR 東の企画券のわりには旅客に優しい仕様になっています。

 11月初頭,この乗車券を使って新潟県内の鉄道旅をしてきましたので,その一部を紹介します。

国鉄電車で愉しむ越後路

f:id:ashizin:20191110172354j:plain

早朝の直江津発長岡ゆき快速 3371M は115系で運転

 新宿から夜行バスで直江津へ向かい,直江津で「えちごツーデーパス」を購入。そのまま長岡ゆき快速 3371M に乗車。まずは115系電車の乗り鉄です。

f:id:ashizin:20191110172834j:plain

 新潟地区でもかなり数を減らした115系。せっかく新潟県内を旅するならこの先短い国鉄電車で。手で開ける半自動ドア,高速運転で高く唸るモータ音,汚れでくもったガラスから眺める日本海の眺め。こんな風景もまもなく見納めかと思うと寂しいものがあります。

寺泊で楽しむおいしい海の幸

f:id:ashizin:20191110173239j:plain

長岡駅から寺泊へは越後交通バスで1時間ほど

 いったん列車を降りて,昼ごはんを兼ねて魚のアメ横ともよばれる「寺泊魚の市場通り」で食べ歩きへ。長岡駅から寺泊ゆきの越後交通バスに乗り込みます。魚の市場通りまでは長岡駅から810円です。

f:id:ashizin:20191110173943j:plain

寺泊魚の市場通り

f:id:ashizin:20191110174020j:plain

魚の串焼きやアラ汁などを振る舞う店が軒を並べる

 寺泊は日本海に面した港町で,かつては海上交通・陸上交通の拠点として発展しましたが,現在では静かな漁村といった感のあるところです。その一端に「寺泊魚の市場通り」があり,食べ歩きしながらたくさんの海の幸を味わえるところで人気のスポットとなっています。

 折り返しのバスが来るまでの1時間ほど,アラ汁を飲んだり岩牡蠣を食べたり串団子を食べたりと満足のランチとなりました。

現美新幹線

f:id:ashizin:20191110174616j:plain

現美新幹線 とき453号

 ふたたび長岡へ戻り,新潟へ新幹線で向かいます。えちごツーデーパスは料金券(特急券など)を追加すれば新幹線も乗車できます。ちょうど新潟へ向かう列車が「現美新幹線」でした。車内で芸術鑑賞ができるというユニークな新幹線です。

f:id:ashizin:20191110175015j:plain

 車内は自由席車内に車両ごとに異なる芸術作品があります。私は芸術を解さないのであまり興味がわかず,あらかじめ取っておいた指定席*1でのんびり車窓を眺めていました。アートが好きな人なら楽しめる列車だと思います。

旅行雑感

 このあとの行程は割愛しますが,新津の石油採掘遺産を観光しに行ったり,咲花温泉に行ったりして1日目は終了。2日目は新津から水上への臨時列車「EL上越線美食旅」に乗車してそのまま帰京しました*2。ばか正直に運賃を払っていたら6,000円ほどいっている乗車距離です。「えちごツーデーパス」の効力をフルに活かして旅行できたと思います。

 広大な新潟県には2日の旅行だけでは物足りないほどたくさんの観光地があります。115系電車・キハ40系気動車といった国鉄車両も風前の灯火ながら走っています。「えちごツーデーパス」はそれらの満喫するための旅をサポートしてくれる強力なきっぷであると思います。 

*1:現美新幹線仕様となっているがグリーン車下がりの一般的な座席

*2:えちごツーデーパスの区間外となる越後中里~東京間は別途乗車券を購入