きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

急行「ゆるキャン△梨っ子」号 乗車記

 新年初記事となります。月1回はかならずブログ投稿するようにしていましたが,正月明けから平日はモーレツ社員として働き,週末はフルで旅行に出かけることを何週間も続けるという幸福なのか不健康なのかよくわからない生活を送っているせいでなかなか記事を書けませんでした……。

 

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 2月1日,静岡~甲府間で運転された臨時急行「ゆるキャン△梨っ子」号に乗ってきました。この列車は山梨県と JR 東海が協力し,身延線沿線が”聖地”である漫画『ゆるキャン△』とタイアップして運行が実現した列車です。オタク目線では漫画のタイトルが列車名に入ること,一時期イベント列車の運行に消極的だった JR 東海がこの列車を運行する,ということで,この列車は時刻表に載るなり Twitter 等で大きな話題となりました。

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ゆるキャン△梨っ子号の急行券・指定席券

 私は『ゆるキャン△』の漫画もアニメもすごく好きだったので,情報を得てからすぐに乗車を決意。JR 東海のイベント列車の指定券は大概 WEB サイトや指定席券売機での購入ができず,出札窓口での購入に限られていることが多いですが,この列車も例に漏れず。元旦から初売りに行く勢いで駅へ赴き,10時きっかりにマルスを発信してもらって無事に指定席券を手に入れました。ネット上の情報では10時打ちしても取れなかった人もいるそうです。

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急行ゆるキャン△梨っ子号

 乗車当日,静岡駅へ。駅には多数のオタクに加えて地元のマスコミまで。この列車の注目度の高さを伺い知れます。車両自体は同じ区間を走る「ふじかわ」と同じ373系電車ですが,列車に乗ってみると・・・

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 車内は各座席のコンパートメント席から各座席のカバーまで,なんとゆるキャン△一色。アニメのパネルのほか,現在放送中のドラマ『ゆるキャン△』の衣装なども展示されていました。さらに一部の車内アナウンスでは主人公キャラクターの声で行われました。

  外装はヘッドマーク程度に抑え気味にしつつ,車内はゆるキャンの世界でいっぱいという,きっぷを持って乗れた人だけが楽しめる優越感。JR 東海は比較的硬い印象の会社なので,ここまでやるかと驚きました。

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終点・甲府駅に到着

 富士山が見えるとアニメのキャラクターによるアナウンスがあったり,車内ではオリジナルグッズの販売が行われたりと,車内でのイベントは思ったより盛りだくさん。終点の甲府まで,4時間弱の急行列車の旅でしたがあっという間に感じました。このあとは甲府から折り返して聖地最寄りの甲斐常葉まで戻り,「聖地巡礼」を楽しみました。

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身延線に並行して整備が進む中部横断道を車窓から

 ゆるキャン△列車のおかげでゆるキャン△の世界を味わえたのに加えて,しばらく足が向かなかった身延線に赴くことができました。富士山の西側は距離のわりになかなか訪問先にならない場所でしたが,今回の旅行で新しく気になるスポットをいくつか知ることができたので,また時間ができればこのあたりに足を運んでみようと思います。

 

 ゆるキャン△梨っ子号は山梨県が,周遊観光及び誘客の促進と身延線の利用促進を図るため JR 東海と連携して運行にこぎつけられた列車です。山梨県峡南地域では中部横断道の整備が進み,まもなく清水~双葉が結ばれるところで,他地域からの観光客の入込が期待できます。一方で JR 東海は同道路の開通により身延線の都市間輸送機能が脅かされています。そのような状況下で,ゆるキャン△という観光資源を生かして地域と JR 当会がタッグを組んでテコ入れした結果がこの列車の運転ではないかと邪推しています。

 ゆるキャン△梨っ子号は 2/8, 9 にも運転されますが,案の定満席のようで,多くのゆるキャン△ファンには乗る機会が与えられない状態です。しかも静岡県側のゆるキャン△聖地である富士宮は総スルーです。今回限りのイベントにせず,静岡側も巻き込みつつ身延線の恒例イベントに成長していってほしいと思っています。