臨時快速「谷川岳もぐら」は2022年春~夏に大宮→越後湯沢間で485系改「リゾートやまどり」を使用して運転されている臨時列車です。復路の臨時快速「谷川岳ループ」とあわせて,その名前のとおり関越国境にある谷川岳とそれを貫く清水トンネル・新清水トンネルにちなんだ列車名と思われます。「谷川岳もぐら」「谷川岳ループ」は数シーズン前からダイヤや運転区間が変化しつつも行楽シーズンに単発的に運転されてきたようです。
「谷川岳もぐら」は大宮→越後湯沢間で新幹線と完全並行しながら3時間半もかけて走る列車で,基本的にはマニア向けのヲタ列車の一種と思われますが,2022年春夏シーズンの運転日は6月・7月・9月の土日に設定と比較的高頻度でした。青春18きっぷのシーズンの運転は巧妙に避けており,運賃収入をちゃっかり取りに行っていますが,それでも連日満席だったので「需要」はそれなりにあったのでしょう。
「谷川岳もぐら」は高崎線内を80km程度で巡航しのんびり運転。しかし「リゾートやまどり」は普通車でありながら2列+1列シートかつシートピッチも広々でグリーン車並の座席になっているほか,展望スペースなどの設備ももっており,ときおり展望スペースに行きつつ車窓を眺めれば,ゆったりとした時間を過ごすことができました。
「谷川岳もぐら」は土合駅に到着すると,ここで約30分停車。モグラ駅土合の観光ができます。新清水トンネルの途中にある土合駅は涼しく,とても快適。
せっかくなので,ここから階段を462段上がり駅の改札まで行きましたが,その頃には到着から15分ほどかかっており,列車に戻るまで10分かかることを考えると30分という時間は思ったよりギリギリでした。
この日は土合駅で下車して谷川岳の天神平に行くプランもありましたが,梅雨空で天気が悪いため,「谷川岳もぐら」でそのまま越後湯沢へ。へぎそばでランチとし,新潟地酒の利き酒をしてそのまま普通列車で*1帰宅しました。
先日,2022年秋の臨時列車の発表がありましたが,2022年秋の「谷川岳もぐら」は特急列車に格上げし,かつ車両もE257系5両に変更になりました。運転時間が30分ほど短くはなっているものの,特急化による実質値上げとリゾートやまどりに比べて快適性で劣るE257系5両への変更ははっきり言ってクソです。
一応,下記に谷川岳もぐら(大宮→越後湯沢)の料金比較を置いておきます。
- 2022年夏:運賃3,080円,料金530円 計3,610円
- 2022年秋:運賃3,080円,料金2,290円*2 計5,370円
前シーズンに比べて48%値上げとなりましたが,この価格であっても土合駅観光に列車で気軽に行くことに価値を見いだせる人にはおすすめしても良いとは思います。
特急料金は速度の対価ですが,おそらく「谷川岳もぐら」に乗る人で急を要する人はあまりいません。2022年夏までの利用実績をもとに,四国や九州で観光列車を特急としているのと同じ理屈で JR 東日本も実質値上げの手段としているのでしょうが,あまり褒められたやり方ではないと思います。2022年夏までの「需要」が秋以降もあると良いですね。
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