きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

電車で日帰り上越国際スキー場へ

 今年もウィンターシーズンがやってきた。ということで1月・2月は毎週のようにスキー場に行ってスノボを楽しんでいる。2月には湯沢にある上越国際スキー場に鉄道のみ利用で訪問することができたのでレポートしたい。

 

横浜→上越国際スキー場

 この日は単独行で上越国際スキー場(以下,上国)へ向かう。早朝の列車を乗り継ぎ,東京駅へ。上国最寄りのその名も「上越国際スキー場前」駅ゆきの乗車券(と新幹線特急券)を購入。

横浜市内→上越国際スキー場前の区間変更券

 「横浜市内」のざっくり感のある発駅と,「上越国際スキー場前」というピンポイントな着駅というアンバランスな券面の乗車券が出てきた。

 東京駅からは上越新幹線で越後湯沢へ。今シーズンの上越新幹線の予約状況はなかなか酷く,コロナ禍の緩和や座席数が少ない車両への転換*1もあり,土日の午前の下りと午後の上りは1ヶ月前から指定席はほとんど満席という有様だった。今回乗る臨時「たにがわ73」号も御多分に漏れず満席となっていて,3両だけある自由席を狙う作戦とした。筆者は前月の1月に東京駅から早朝の北陸新幹線に乗る際に「たにがわ73」号の自由席待ちをウォッチしていて,十分席は確保できると考えていた。

 「たにがわ73」号の発車30分ほど前に東京駅のホームへ向かうと,自由席号車にはすでに長い乗車待機列が。1月に見たときの倍くらいの列になっていて,トップシーズンの上越新幹線を甘く見ていた。それでも列の長さ的にまだ席の確保はできそうだったので,朝食も買わずに30分待ち続け,なんとか2列席窓側をゲット。グループ客が多く,思ったより窓側が埋まらなかったのが幸いだった。

E2系で運転する「たにがわ73」号。自由席は通路までいっぱいに。

 東京駅の時点で自由席座席はすべて埋まりデッキに一部客があふれる。さらに途中停車駅の上野・大宮で乗車が続き,大宮を出た頃には自由席は通路までいっぱいになった。コロナ禍前の鉄道利用者が戻ってきたと思えばポジティブだが,立っている人にとってはちょっと大変だろう。

越後湯沢で上越線に乗り換え,上越国際スキー場前へ

 「たにがわ73」号は大宮を出ると越後湯沢までノンストップ。越後湯沢では2両ワンマンの上越線下り列車に乗り換える。混雑してはいるもののつり革や手すりに掴まれる程度で,隙間ないほどの乗車率ではなかった。ワンマン列車だが多客対応で上越国際スキー場まで全ての扉が開扉するようになっている。

 かつて*2上越線は「スキーリレー号」という臨時列車が出るほどスキー客輸送が活況で,うっかり朝夕のラッシュ時に乗り合わせたらスキー客に揉まれることは間違いなしの状態だった。その記憶があったので,思ったほどの混雑ではなく拍子抜けであった。

 上越国際スキー場前駅で乗客のほとんどが下車。当駅は無人駅だが,運転士による集札も,応援の駅係員による集札も行わず,駅に備え付けられた箱にきっぷを入れるだけだ。ホームに降りた人たちはみな困惑気味で,きっぷ入れの場所がわからなかったり,越後湯沢までの(精算が必要な)きっぷを未精算のまま箱に入れたりしていた。JR東日本は多客時くらい駅員を派遣して出改札業務を行うべきではないだろうか。

 

上越国際スキー場上国)

 上越国際スキー場前駅を降りたら目の前が上国のスキーセンター。すぐに着替えをしリフト券を買いゲレンデへ。

上越国際スキー場(当間ゲレンデ)の景色

  上国は単独では日本一広いスキー場らしく,駅から最奥部の当間ゲレンデ(フォレストゾーン)にある展望台までリフトを7本も乗り継いで行く必要があり,スキー場内もちょっとした乗り継ぎ旅だった。魚沼丘陵に位置する当間ゲレンデの展望台からは,十日町盆地・六日町盆地の田園地帯や雪山の稜線が見え,絶景だった。

 標高の高い当間ゲレンデは雪質も比較的よく,午前中は気持ちよくカービングができた。午後からは雪が緩み,ゲレンデ内の人も増えてきてスピードが出しにくくなる。上国の広大な敷地で滑れるところはなんとか全部滑り,14時くらいに切り上げた。

 

上越国際スキー場前→横浜

 上越国際スキー場前駅に止まる列車は1時間に1本あるかないかという頻度なので,帰りの時間に合わせて支度をしないと最悪1時間待ちになってしまう*3

上越国際スキー場前駅

 そんなこともあり,列車が来る10分ほど前には駅に到着できようにした。駅は雪を溶かすための水がドバドバと溢れていて,うっかりしていたら靴の中が浸水してしまいそう。14時台の列車で帰る人はまだ少なく,5両編成で滑り込んできた水上行き列車に乗ったスキー客は10名足らずだった。

 越後湯沢から新幹線で帰京したいところだが,帰りも指定席は満席で確保できていないうえに,この時間帯の新幹線は新潟始発かガーラ湯沢始発で自由席に座れない可能性があった。そこで越後湯沢駅とスキー場を結ぶ無料シャトルバスガーラ湯沢駅まで一旦戻り*4始発のガーラ湯沢で新幹線の自由席に乗ることにした。

ガーラ湯沢駅

 ガーラ湯沢の自由席待機列はスキーセンターに達するくらいの長さになっていて驚いたが,乗車する臨時「たにがわ412」号は自由席が6両あり,窓側の確保が余裕だったどころか車両の半分くらいが空席の状態でガーラ湯沢駅を発車した。GALA湯沢で1ミリも滑っていない不届き者にも自由席を恵んでいただけるとはこの上ない幸せである(棒)。そのまま大宮乗り換えで横浜の自宅まで直帰し,19時頃に帰宅した。

 

 越後湯沢は標高が低いスキー場が多く雪がゆるみがちなのと,交通が便利なので利用者が多く効率よくリフトを回せないというイメージが有り(実際,今回もそのとおりだったのだが),正直あまり好きではないエリアなのだが,その交通利便性の高さのおかげで昼過ぎに湯沢を出れば夕食の時間には横浜に帰れるというアドバンテージで湯沢にかなうところは無いだろう。今回取り上げた上越国際スキー場GALA湯沢などは鉄道利用との相性もよく,気軽に行けるのが良い。

 なお,上越国際スキー場前駅がある上越線は大雪となると運転見合わせになることがある。筆者も1月に上国に行こうとしたら前日の時点で終日運転見合わせが決定していたことがある。上国~越後湯沢駅間は路線バスなども無い*5ので利用の際には注意が必要だ。

*1:昨シーズンはE4系だったが今シーズンはE2系で運転

*2:2020-2021シーズンまでは運転されていたらしい

*3:越後湯沢までの代替手段も無い

*4:午後はガーラ湯沢行きの新幹線がほとんど走っていないためシャトルバスのほうが便利

*5:ホテル利用者用のシャトルバスを除く。2022-23シーズン時点