特急「サフィール踊り子」号は,主に東京・新宿~伊東~伊豆急下田間を運行する特急列車だ。全車両がグリーン車以上で,グリーン席だけでなく,それより上級のプレミアムグリーン席や個室,さらにカフェテリアを設けている。JR東日本の伊豆特急のフラッグシップと言える列車だろう。
同区間を走る特急「踊り子」よりワンランク上の列車と位置づけられるだけあって,運賃・料金はそれなりに高額だ。たとえば,東京~伊豆急下田間で「サフィール踊り子」のグリーン席を利用する場合,乗車時間は2時間半だが運賃・料金をあわせて10,060円だ(同区間の「踊り子」普通車指定席は6,180円)。
これには,以下のような複雑な理由がからむ。
- JR 線内で 「サフィール踊り子」号は割高なA特急料金が適用されるため(「踊り子」は割安な通称C特急料金が適用)
- JR 線内のグリーン料金は営業キロが100kmごとに料金が分かれるが,東京~伊東間は約120kmながら200kmまでの料金が適用されるため
- 上記とは別に,伊豆急行線内で「サフィール踊り子」向けの割高な特急料金・グリーン料金が加算されるため
ではリーズナブルに「サフィール踊り子」を楽しむ方法は無いだろうか。ある。伊豆急行線内だけで「サフィール踊り子」に乗るなら,割高な特急料金を伊豆急行線内だけ払えば良いので比較的安く済む*1。
特におすすめなのは伊豆急下田発の上り列車だ。サフィール Pay で事前予約するか,伊豆急下田を発車したらすぐにカフェテリアに向かって席を確保しよう。フードメニューを注文し,料理が運ばれてくる頃には「サフィール踊り子」で一番のハイライトである海岸沿いを走行する区間だ。相模湾を見ながらの食事は優雅なひとときになるだろう。
「サフィール踊り子」から海が見える区間は意外と限られ,海が見えるのはほとんどが伊豆急行線内だ。伊豆急行線内のみの利用をオススメするのは安いこと以外に景色が良いということもある。
伊東以北からの伊豆旅行の場合,伊豆急行線内のみの「サフィール踊り子」利用だと伊東でいったん降りないといけないが,1泊目は下田で2泊目は伊東など,周遊型の旅行なら行程にも組み込みやすい。
なお,「サフィール踊り子」ほか伊豆急行線内のみの特急券は,JR のマルス管理ながら JR のみどりの窓口等では発売できない。市中の旅行会社か伊豆急行線内の特急停車駅で1ヶ月前から購入できるが,東京発着の特急列車は伊東・熱海から(までの)利用もそれなりにあり,席にこだわりがなければ伊豆急行線内のみの特急券で満席になっているということはほぼないため,発車直前に購入するのでも基本的には問題ないだろう。
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