きっぷ片手に旅をする

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特急「185」伊豆急下田行き 乗車記

 絶滅寸前の国鉄特急形電車である185系を使用した特急「185いっぱーごであるが,川崎始発になったり,伊豆急下田行きになったりと運転日によって行き先や時刻がちょっとアレンジされている。先週末の5月18日に運転された特急「185」は伊豆急下田行きだ。

列車名 横浜 伊東 伊豆急下田
特急「185」 08:50 10:19 11:16
14:59 13:34 12:31

特急「185」主要駅時刻表(5月18日運転分)

 前回に引き続き,伊豆急行線を走る185系に乗車する目的で特急「185」に乗車してきた。

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特急「185」下り 横浜→伊豆急下田

 朝8時の横浜駅へ。特急「185」は発車直前に5番線に入ってくる。

崎陽軒185系

 横浜駅駅名標と,崎陽軒と,かつて特急「踊り子」でなんどもこの駅を発車した185系。いかにも横浜駅らしい,185系時代の「踊り子」にいシーンが見えた。かつての下りの特急「踊り子」で,185系の古めかしい車内で崎陽軒シウマイ弁当をつつく人の姿を思い出した。

 さて,特急「185」号は横浜を発車。鉄道唱歌のチャイムとともに車掌のアナウンスが入る。チャイムつきだがアナウンスは最低限。今回はシウマイ弁当は買ってないけど,気分はあの頃の「踊り子」号だ。

 今回私はひとりで窓側に乗車。通路側には伊豆へ行くであろう女性の方が座っていた。その女性は185系電車になど全く興味を示さず,ファッション誌を読んでいる。車内を見渡すと,鉄道オタクが多くの割合を占めているものの,伊豆旅行へ出かけるのに乗り合わせたであろう人もそれなりに居た。

特急「185」伊豆急下田行き 特急券

 特急「185」がマニア向けの列車であることは前回書いた通りだが,今回の列車は下田11時着の列車だから普通に旅行に出かけるのも便利だ。

 最近は継続的に各地への臨時列車で185系が利用されているせいか,過熱した席取り合戦は収まり,今回の特急「185」伊豆急下田行きも座席を選ばなければ直前でも指定は取れたようだ。

伊豆熱川駅で黒船電車と交換

 特急「185」はのんびりと東海道線を走り,熱海からは伊東線へ。伊東からは運転士・車掌は交代して伊豆急行線へと入る。

 「間もなく伊豆高原です。やまもプラザへお越しの方は……」伊豆急行線に入っても車掌のアナウンスにはイベント列車感はあまりなく,いつもどおりな感じだ。

 伊豆熱川ではリゾート21「黒船電車」と交換した。片や国鉄時代の特急電車に,片やバブル期に製造されたリゾート電車のすれ違いの様子に,乗り合わせていた小学生くらいの乗客は熱心に写真を撮っていた。令和のキッズは時代錯誤の光景を見て何を思う。

片瀬白田伊豆稲取の車窓から

 特急「185」はやがて片瀬白田を通過し,有名な海沿いの区間へ。185系からこの景色を眺められるのはあと何回も無いのだろう。

 伊豆急行線は半島の盲腸線であるから,終点の伊豆急下田に向かうにつれて利用者数は先細りする運命にある。しかしこの特急「185」は185系に乗るための列車である。驚異的な乗車率(9割ほど)を維持して伊豆急下田に到着した。

伊豆急下田駅到着間際の1号車の様子

乗車後記

 伊豆急下田行きの特急「185」は,かつて185系で運行されていた「踊り子」を追体験できるような列車で良かった。「踊り子」などに導入された着席サービスを適用できないようにするために,名前だけ「185」になっているが,実質的にはリバイバル踊り子号だった。

 ただ,今回も土曜日運行ということで列車内は落ち着きのないマニアが徘徊していたのが気になった。

 今回の列車旅で印象に残っているマニアのエピソードがひとつある。私が列車内のトイレを利用しようとして通路で先客の利用を待っていたところ,先客はトイレから出てくるやいなやトイレの中の写真をいつまでも撮っている。私は余裕があったので好きなようにさせたが,この社会性の無さには呆れた。

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 直近で185系の列車は水曜日運行の「185」号と大型連休運行の「あしかが大藤まつり」号に乗っているが,後者は落ち着きのないマニアが多すぎて辟易したのを思い出した。やはり土休日運行の185系電車に乗るには覚悟がいる。当の本人たちは何も気にしていないのかもしれないが……。


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