夏に向かって気温が上がり,雨の日が増えてきた6月のはじめ,梅雨に入る前にどこか行きたいなと思っていたところ,岩手・秋田県境にある八幡平のいわゆるドラゴンアイが見頃になっているとのこと。季節的にもちょうど良さそうなので,行きたいと思っていた八幡平の温泉めぐりに行ってきました。
今回も社会情勢的に一人旅。せっかくなので盛岡~八幡平~田沢湖間140kmを路線バス乗り継ぎで旅行してきました。盛岡から,八幡平周辺に点在する秘湯,松川温泉・藤七温泉・後生掛温泉・玉川温泉の各温泉場をめぐることを目標にします。
八幡平へ向かうバスはかなり少なめ。東京から1番の新幹線に乗れば,盛岡~八幡平頂上~田沢湖の乗り継ぎは可能*1ですが,温泉めぐりがあまりできない……。そこで今回は早朝からバス乗り継ぎができるように盛岡で前泊しました。
岩手県北バス 盛岡バスセンター→松川温泉
盛岡市の昔からの市街地にある盛岡バスセンター。盛岡バスセンターは現在再開発中で,バスは旧バスセンター跡地の横に設けられた仮乗降場から発着していきます。
ここを始発とする松川温泉ゆきに乗車。松川温泉ゆきは以前の記事でもとりあげましたが,この路線に乗るのは今回で2回目。
盛岡バスセンターを出て松川温泉までは約50kmのみちのりを2時間。朝も早かったのでバス車内でのんびり過ごす。
松川温泉ゆきは行き先や高速バスの車両を使っているところからしてパット見リゾート感があるかもしれませんが,盛岡郊外や八幡平市の地域輸送も兼ねていて,ときにはニュータウンや住宅地や田園地帯の細い道も進んでいきます。じっさい,短距離区間利用の乗客もちらほら見かけました。
バスはやがて松尾鉱山資料館を経由して八幡平のリゾート地(別荘地)を抜け,一路松川温泉へ。前回来たときは冬だったのでリゾート地内にある「八幡平マウンテンホテル」でボンネットバスに乗り換えたが,今回はバスはそのまま松川温泉まで直行。
盛岡からちょうど2時間で松川温泉に到着。ここは朝8時から日帰り入浴を受け付けており,バスを降りてそのまま受付を済ませてお風呂へ。
松川温泉は青白いお湯が特徴の源泉かけ流し硫黄泉。このきれなお湯を見るだけでも惚れ惚れしてしまう美しさのある温泉です。お湯は熱すぎずでちょうどよい。朝で人もすくなく,贅沢な朝風呂タイムとなりました。
温泉から出たら,すこし次のバスまで時間があるので松川地熱発電所へ。発電所のシンボルともいうべき冷却塔が目立ちます。発電所内の松川地熱館を見学。日本初の地熱発電所である松川地熱発電所の歴史や,地熱発電の仕組みなどを知ることができました。
岩手県北バス 八幡平自然散策バス 松川温泉→藤七温泉
次の目的地,藤七温泉に向かってバスに乗り込みます。次に乗り込むのは盛岡を9時に出て八幡平へ向かう八幡平自然散策バス。松川温泉ゆきと異なり高速道路を経由してくるバスです。ツアーバスっぽい名前と運行形態ですが,路線バスのため松川温泉など途中バス停からの乗車も可能。
バスは樹海ラインを進み,松川温泉からさらに山奥にどんどん入っていきます。このあたりからは後生掛温泉のあたりまでほとんどずっと docomo 電波圏外。
樹海ラインではときおり道端から蒸気があがっているところが見えてきて,このあたりの地熱の高さが伺いしれます。一方でバスの車窓からは残雪残る八幡平の姿も。
30分ほどのバス乗車で藤七温泉に到着。
標高1400mにある藤七温泉は東北地方ではもっとも高所にある温泉です。さらに特徴的なのはそのお風呂。泥湯タイプの温泉が浴槽の底からブクブクと上がってくる,いわゆる足元湧出の超新鮮な温泉です。地獄地帯の温泉が出ているところに浴槽を設けたようなワイルドな露天風呂はちょうどいい湯加減で,泥の感触も楽しめる素晴らしい温泉でした。
徒歩 藤七温泉→八幡平(見返峠)
次は藤七温泉から八幡平へバスで……。といいたいところですが,八幡平へは先程乗ってきた自然散策バスが最終。歩いていくしかありません。といっても2kmほどなのでちょっとしたハイキングです。
藤七温泉から樹海ラインを徒歩で進んでいきます。途中では藤七温泉を展望できるスポットが。混浴露天風呂が丸見えなので引きで撮っていますが,森林限界に近い開けた場所に温泉場があり,この景色だけでも素晴らしい。
道を進んでいくと,畚岳(もっこ岳)と八幡平を結ぶ尾根に岩手-秋田県境が。ここから先は八幡平の見返峠に向けて尾根沿いに歩いていきます。遮るものがなく風が強いため,ウインドブレーカー等は必須です。
想定通り徒歩30分ほどで見返峠に到着。
(後編に続く)
*1:2021年6月現在。