きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

和倉温泉行き特急「サンダーバード」17号 乗車レポート

 2024年1月1日に発生した能登半島地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げる。発災からまもなく3週間となるが,まだ避難を強いられている方が多くいることに心を痛めている。

 私は偶然にも発災1ヶ月前の2023年12月に和倉温泉行き特急「サンダーバード」17号に乗車して,和倉温泉へ行っていた。そのときの乗車雑感をレポートしたい。

特急「サンダーバード」17号@和倉温泉駅

特急「サンダーバード」17号 大阪→和倉温泉

列車名 大阪 *1 和倉温泉
サンダーバード17号 10:42 14:30

特急サンダーバード17号 時刻表

 今回は始発の大阪駅から終点の和倉温泉駅まで乗車する。大阪駅は特急専用の11番のりばから発車する。大阪から和倉温泉までは4時間弱。「サンダーバード」には車内販売も無いので,ホームにある駅弁屋や売店で駅弁と酒,おつまみを調達してから列車に乗り込む。

大阪駅11番のりばから発車

 大阪駅を定刻の 10:42 に発車。京都を過ぎたら,山科から湖西線に入って列車は最高速度130kmで快調に飛ばす。今回は乗り鉄仲間との旅行だったため酒を片手にグループで談笑していたこともあり,福井県に入って敦賀に着くのもあっという間に感じられた。来春からは「サンダーバード」はすべてこの敦賀駅止まりとなり,金沢方面へは新たに敦賀まで延伸する北陸新幹線に乗り換えることになる。

 敦賀を出て北陸トンネルを抜けると,雪でところどころ地面が白くなっているところがあった。山はほとんど真っ白で,冬の訪れを感じられる。12:56 に片山津温泉山代温泉などの玄関口である加賀温泉駅に到着すると,多くの人の下車があった。和倉温泉に行く人も含めれば,「サンダーバード」17号は関西圏から温泉地への旅行者にとっては使いやすい列車なのかもしれない。

金沢駅にて

 金沢で9両編成の「サンダーバード」の後ろ3両(金沢止)を切り離す。金沢で乗車していた車両のほとんどの人が下車し,入れ替わりでたくさんの人が乗ってきた。金沢市内からや北陸新幹線からの乗継から和倉温泉方面へ向かう人たちなのだろう。目で見える範囲では和倉温泉への直通利用が少なかったのが意外だった。

 金沢からIRいしかわ鉄道を経由して七尾線に入る。単線の能登路を1時間ほど進めば終点の和倉温泉駅に到着だ。

列車から降りた人たちはそのまま旅館の送迎バスへ

 和倉温泉駅無人駅となっていて,列車から降りても改札には誰もいない。駅の中も,待合室に観光案内所があるほかは静まり返っていて,大阪駅から直通する列車の終着駅としてはなんとも呆気ない佇まいになっていた。列車から降りた人たちはそのまま駅の外に待機している旅館の送迎バスに吸い込まれていった。

乗車雑感

和倉温泉駅にて

 「乗り換え」は公共交通機関を利用するうえで利用者が障壁に感じることのひとつだ。今回,大阪から和倉温泉まで直通で乗り通したが,4時間という乗車時間を感じさせられないほど快適だった。来春の北陸新幹線開通後は大阪から和倉温泉に鉄道で行く場合,料金が値上げするうえに乗り換えが2回発生することになる。そうなると駅弁はどの区間で広げようか?ゆっくり休めるだろうか?少なくとも私なら大阪から和倉温泉まで鉄道だけで行くということは考えにくくなるだろう*2整備新幹線建設の功罪の悪い点を,「サンダーバード」17号は思いっきり被ることになる。

 能登半島地震により,七尾線は大きな被害を受けた。1月19日現在は羽咋和倉温泉間が運転を見合わせていて,特急「サンダーバード」17号も全車両金沢止まりとなっている。1月22日に羽咋・七尾間が再開,2月中旬に七尾・和倉温泉間(のと鉄道能登中島間)も運転再開予定だ。1月22日には特急「サンダーバード」17号も和倉温泉の1駅手前,七尾駅まで運転再開する。七尾線の運転再開により,能登半島の復興が加速されることを願う。


鉄道ブログを見るならこちらをクリック▼

 

 

*1:途中停車駅:新大阪,京都,敦賀,福井,芦原温泉加賀温泉,金沢,羽咋,七尾

*2:実際に,北陸新幹線延伸により和倉温泉の関係者は関西圏の利用者が離れることを危惧している。大阪―和倉3割高 新幹線敦賀開業後、1万2050円|経済|石川のニュース|北國新聞