きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

多彩な姿を見せる福井の鉄道(4) ――福鉄レトラムに乗る

訪問日 2016.5.28

 福井鉄道の高架を見学して福井駅に戻ったあとは,昼食を挟みつつ西口の”福井駅”駅へ。ドイツ・シュツットガルト路面電車として走っていたF10形735号”レトラム”に乗車します。

f:id:ashizin:20160614034248j:plain

 ヒゲ線が走る駅前電車通りをゆっくり走るレトラム。この日本の地方都市にありがちな商店街にヨーロッパのトラムが走ってくるというミスマッチさ。だがそれが良い。

f:id:ashizin:20160614035335j:plain

f:id:ashizin:20160614035450j:plain

 福井駅に到着してF1000形”FUKURAM”と並ぶレトラム。F1000形はドイツのメーカーの技術供与を受けた新潟鐵工所の製造で,どちらもドイツに所以のある車両。

f:id:ashizin:20160614035810j:plain

 車内はこんな感じ。日本の仕様に合わせて一部仕様が変わっているようですが,それでも異国情緒がかなり漂っています。路線図やドイツ語表記のサイン類も多く残っています。

f:id:ashizin:20160614035928j:plain

 運転台。日本ではあまり見ないコックピット配置。左手で力行と抑速?,右手でブレーキを操作するようで,特殊な操作が必要に見えます。

 このレトラムに乗って鯖江方面へ。車掌さんが肉声で次駅案内をしたり乗降時のステップを下ろしていたりなど気になる点はいくつかありましたが,特に気になったのは鉄道区間で速度を出したときの揺れが大きかったこと。鉄道線区間は急行なので50~60kmで走っているのですが,軌道がヤバイのか台車がヤバイのか知りませんが飛び跳ねるように走行していて凄かったです。

 それにしても,先行の急行が立ち客が出るほどの乗車率だったのにもかかわらず,この日のレトラムの乗客は数えるほどでした。レトラムは観光資源として鉄道ファンを呼び寄せるために県が修理費込みで購入した車両。この車両の行く末が少し心配です。

 レトラムは非冷房車のため,春・秋の土日を中心に運行されています。