きっぷ片手に旅をする

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韓国日帰り旅行の可能性を広げた Peach MM1009~MM1008便 搭乗記

 格安航空会社PeachAviationは2月6日より東京羽田=ソウル仁川間で1日1往復の航空路線を就航させました。プレスリリースによると,関西=台北桃園・ソウル仁川間や羽田=台北桃園間が好評であり,夜間早朝発着便を活用した日帰り海外旅行スタイルの定着が就航のカギだったようです。そんな羽田=仁川間のPeach便の2016年6月のダイヤは以下のとおりです。

  • MM1009 羽田 0200 → 仁川 0425
  • MM1008 仁川 2240 → 羽田 0045

 このダイヤが設定されたおかげで日帰りでもソウル市街で約14時間の観光ができるようになりました。一方で最大2時間25分の搭乗時間で睡眠時間は確保できるのか?空港からの手段はあるのか?かなり無理矢理な設定でもあります。

 先日このPeach MM1009/8便に乗って韓国日帰り旅行に行ってきました。


 搭乗日 2016.6.11

 MM1009便 羽田→仁川

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  金曜日の退勤後速攻で帰宅し2時間ほど仮眠したのち京急の終電で羽田空港へ。この時間の羽田空港はとても静かです。

f:id:ashizin:20160620202157j:plain その静かな空港で行列ができているチェックインカウンターはほとんどが夜間早朝の空き時間を活用したLCC便のカウンターで,Peachももちろん例外ではありません。

 今回は日帰り旅行なので,国内日帰り旅行での持ち物にパスポート・電子辞書・ガイドブック等を加えただけで荷物は手軽。いちおう機内持ち込み手荷物は10kgまでの規制があるのですが,その手荷物明らかに軽いだろと思われたようでチェックイン時に量られることなくチェックイン完了。

 搭乗1時間くらい前に出国審査を通過しましたが,制限区域内はほとんどの店が閉まっていて暇つぶしといえば寝るかテレビを見るかくらい。羽田の制限区域内のベンチには携帯充電ポートとコンセントが多くついているのに携帯の電池に困らないのが助かります。

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 さて,時間になり機内に乗り込むと乗客の多くは圧倒的に女性。今回も男一人旅なので若干肩身の狭い思いをします。ただでさえ狭い機内なのに(苦笑) 未だに韓流ブームとかあるんですかね。

 さすがに深夜2時発の便ということで,ドアクローズ前から就寝するお客様多数。着席即就寝って感じですね。ブランケットをかけて寝てる乗客が多いので乗務員がシートベルトの確認をするのにかなり手間取っていました。

f:id:ashizin:20160620203724j:plain シートベルトサインが消えた後に車内販売が一通り行われ,離陸1時間後くらいに室内の減灯が行われました。ここで消されてもあと1時間半くらいで到着なんですがそれは……。この辺で筆者もようやく眠りに落ちて気付いたら着陸間際の頃でした。

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 MM1009便はイミグレーションからかなり遠いゲートに到着するので,朝4時の仁川国際空港をひたすら歩きます。動く歩道があって便利なのですが徒歩5分~10分くらいはかかったような気がします。

 受託手荷物はないのでターンテーブルをスルーし,早朝でガラガラの出国審査もすんなり通過。税関も申告書を渡すのみで5時前には到着ロビーに居ました。

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 ソウル駅へ向かう空港鉄道の初電は5:20。空港内で両替とかwi-fiの受取りとかやっていたら初電にいい感じに乗れるんじゃないでしょうか。初電は早くて快適だが値段の高い直達列車で,私はそれほど急いでいなかったのでその後の普通列車に乗ってソウルへ向かいました。


 

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 この日私は午前中にソウル市内観光,午後に軽く乗り鉄鉄道博物館訪問,ゲーセン訪問などをして過ごしました。空港から市街への移動時間やチェックイン時間などを考慮しても約14時間の滞在時間があるのでフルで活用しようと思っていましたが,トータルでも3時間しか寝れなかったこともたかって,午後にはヘロヘロになっていました。睡眠大事。


  MM1008便 仁川→羽田

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 21時頃に仁川国際空港に向かい,チェックインを済ませると係員から「搭乗口はかなり遠いので気をつけて下さい」と言われました。それもそのはず……

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 仁川国際空港は出発・到着ロビー1箇所に対してターミナルが別々で2棟あり,MM1008は離れたターミナルから出発。離れたターミナルへはシャトル・トレインに乗車して向かうことになります。

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  シャトル・トレインはこんな感じ。新交通システムによる列車と思われ,座席が数人分しかない2両編成のゆりかもめと思うとわかりやすいかと。

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 こうして搭乗口に着くと今夜のMM1008便の機材がよく見えました。ゆきのMM1009便と同じタイプの機材です。帰りの便もほぼ満席。この日は定刻でゲートを離れたものの,出発便が多く離陸待ちがあり20分ほど遅れて離陸。

 飛んでからは往路と違って旅行疲れですっかり爆睡でした。爆睡といっても2時間の短いフライトで,気を失って気付いたら羽田に居たような感覚でした。羽田には深夜1時すぎに到着。

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  帰りも手荷物を預けなかったのでターンテーブルをスルーし,ガラガラの入国審査を通過。地味に厳しい日本の税関も日帰りと言ったところバッグの中身を見られることなくスルー。

 しかしそんなに早く空港を出たところでここからの足がありません。京急東京モノレールともに終電発車後で,公共交通機関は以下のバス路線のみです。

  • 1:55発 東陽町・葛西・一之江
  • 2:15発 品川・台場
  • 2:15発 大鳥居・蒲田・川崎
  • 2:20発 新宿・池袋
  • 2:20発 六本木・渋谷・二子玉川
  • 2:20発 横浜・みなとみらい 

 私は都内在住ですが行けてせいぜい新宿までだったので素直に空港野宿を敢行しました。出発・到着ロビー共にすでに深夜早朝便に搭乗する(した)乗客でいっぱい。出発ロビーの端っこにある24時間営業のフードコートあたりは若干空いていてそこで仮眠をとりました。床の上で寝たので全く疲れが取れず,モノレールの初電で自宅に帰った後は昼過ぎまで寝てしまいました。


 韓国へは今回が初渡航。韓国には大して興味がなく,旅行はしたいけど1泊するほどの行程でなくても……,という感じだったのでこのMM1009/8便は自分の背中を強く押してくれました。比較的格安で異国の文化を日帰りで感じることが出来たことの価値は大きいと思います。一方で日帰りでは体力的な負担が大きいうえに,かえり羽田着後の交通手段が無いという問題もはらんでいます。極端な深夜早朝運行と最低限のサービスでも問題ないよという方には是非オススメしたい便です。

 ちなみに渡航1週間前に予約した今回の航空券の値段は以下のとおりです。

 MM1009 22,150円
 ┗座席指定 850円
 MM1008 8,360円

 ATM払い手数料 1,100円
 合計 32,460円