きっぷ片手に旅をする

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鹿島臨港線臨時旅客列車に乗る

 茨城県鹿嶋市神栖市水戸市を結ぶ鹿島臨海鉄道には旅客線の「大洗鹿島線」と貨物線の「鹿島臨港線」の2路線が存在する。貨物線の「鹿島臨港線」は首都圏と鹿島臨海工業地帯とを結ぶ貨物列車のみが走る路線だ。

 毎年10月にカシマサッカースタジアムで開催される「鹿嶋まつり」に合わせて,鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅~神栖駅間で臨時旅客列車が走り,この日に限って鹿島臨港線に乗車することができる。2005年頃からの恒例イベントのようだが,今回機会があり初めて乗りに行くことができた。

鹿島臨港線と周辺の地図(地理院地図に筆者加筆)

鹿島サッカースタジアム駅

 臨時旅客列車に乗るには,鹿島サッカースタジアム駅で発売される専用の往復きっぷを購入する必要がある。鹿島サッカースタジアム駅は臨時駅で,カシマサッカースタジアムでのイベント開催時のみ開設される駅。この日は臨時旅客列車の運転や「鹿嶋まつり」の多客対応で鹿島サッカースタジアム駅に列車が停まるようになっていた。

 先着250名限定ということで発売開始の1時間ほど前に鹿島サッカースタジアム駅に到着。すでに行列ができていたが,並んでいるのは100名程度で,きっぷを買うことができそうだ。

鹿島サッカースタジアム駅

 そして無事にきっぷを購入。手に入れたきっぷはD型硬券。厳密には往復の様式ではないが,イベント専用という感じがしない素朴な券面がかえって好ましく,記念券としても持ち帰れて良いきっぷだ。

鹿島臨港線臨時旅客列車の乗車券

臨時旅客列車に乗る

 臨時旅客列車は午前と午後に鹿島サッカースタジアム駅と神栖駅との間をそれぞれ1往復する。今回乗車するのは午前に運転する 901D ~ 904D だ。きっぷの発売開始から乗車する人の集合時間まで30分ほどあったので,「鹿嶋まつり」の屋台で買い物するなどして見物してから集合場所へ。

臨時旅客列車は8000形で運転

 臨時旅客列車の運転に抜擢されたのは8000形2両編成。2両に250名が乗車するのでちょっとした通勤ラッシュくらいの混雑にはなるが,ロングシートの車両なので想像していたほどの窮屈さは無かった*1

 列車は鹿島サッカースタジアム駅を発車すると住宅や田んぼの間を縫うように南下。旅客列車が走る大洗鹿島線は高架線がメインなので,大洗鹿島線と鹿島臨港線で車窓の雰囲気が異なる。乗り合わせた利用者は鉄道オタクのほかに地元の人も多く,ふだんの見慣れた景色を列車から見る物珍しさから歓声を上げる人もいて,印象的なシーンだった。

 やがて臨港地帯に入り巨大な倉庫や工場が見えてくると,貨物専用の神栖駅に到着。片道16分の旅はここで折り返しとなる。

神栖駅の風景を列車内から

 神栖駅は貨物駅なだけあって側線がたくさんあったり,間近にディーゼル機関車が停まっていたりと,これまた大洗鹿島線では見られない光景が広がる。神栖駅で下車することはできないが,列車内からでもじゅうぶん駅の雰囲気を楽しむことができた。

 帰りも同じルートを辿って鹿島サッカースタジアム駅へ。折返し含めて40分程度のショートトリップだった。

臨時旅客列車の時刻表(参考)

列車番号 鹿島スタ*2 神栖 備考
回902D xx:xx xx:xx 回送列車
901D 10:55 11:11
904D 11:37 11:21
回903D xx:xx xx:xx 回送列車
回906D xx:xx xx:xx 回送列車
905D 14:20 14:36
908D 15:02 14:46

2023年10月22日の時刻


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*1:先頭の運転台後ろにはかぶりつくオタクが幾重にも重なっていた

*2:鹿島サッカースタジアム