きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

「ラ・マル しまなみ」に乗車して尾道観光へ

 先日の土曜日は所用で岡山に訪問していた。日曜日はフリーにして,そのまま山陽方面に観光へ。岡山で観光列車を調べると,津山に向かう「SAKU美SAKU楽」や瀬戸大橋を渡る「アンパンマンロッコ」など,意外と観光列車の種類が多い。今回は尾道観光の足としてちょうどよかった「ラ・マル しまなみ」に乗車してきたのでレポートしたい。

ラ・マル しまなみ 岡山→尾道

ラ・マル・ド・ボァ
「ラ・マルしまなみ」はラ・マル・ド・ボァ(La Malle de Bois)という観光列車を使用して岡山~三原間を運行する臨時快速列車。ラ・マル・ド・ボァを使った列車は「ラ・マル ○○」の列車名で,岡山から日替わりで三原のほか宇野・日生・琴平に足を伸ばす。
側面は旅行カバンのデザイン
 車両名のラ・マル・ド・ボァはフランス語で「木でできた旅行かばん」という意味らしい。フランス語には馴染みがないので最初はイメージが湧かなかったが,側面をよく見ると,旅行カバンがモチーフになった意匠のデザインになっていて,なるほどなと感心した。

 車内も床がフローリングになっていたり,ぬくもりのある暖色系の化粧板が使われていたりして,高級感がある。本棚やアート作品が展示されているのも,ちょっとした雑貨屋のようで「映え」がある。ちなみに車両自体は213系近郊電車の流用だ。

ラ・マル・ド・ボァの車内の様子
 座席は2列リクライニングシートと,カウンタータイプの窓向き席のハイブリッド。そのほか自転車置場が運転台の後ろ部分にあり,「ラ・マルしまなみ」では岡山~尾道間に乗車する場合のみ自転車を組み立てて積載できるそうだ。尾道からのしまなみ海道はサイクリストには有名なコースなので,この列車で尾道に向かうには便利かもしれない。

 今回乗車する「ラ・マルしまなみ」は海が直接見れる区間が少なかったのと,このあと乗車する「etSETOra」でカウンタータイプの座席を利用するので,快適性重視でリクライニングシートのほうをチョイス。座席は形状から察するに681系特急電車などと同じタイプのようで,シートは一応特急のものと同じようだ。

「ラ・マルしまなみ」の普通列車用グリーン券
 今回は尾道までの乗車だが行程変更に備えて指定券は三原までで購入。尾道から三原は前途放棄となった。

 「ラ・マルしまなみ」で車内インテリアを楽しんだり,車内販売で発売されている白桃ネクターなどを味わいつつ,山陽本線の車窓を眺めていれば1時間半程度の乗車時間があっという間に感じられた。尾道は新幹線で行くより在来線で行くほうが便利だが,新幹線よりも安く,普通列車で行くより楽しい移動になった。

 すこしケチをつけるとすれば,窓にもラッピングが入っているので微妙に景色が見づらいところだ。せっかく大きい窓なのにもったいないと思う。

尾道観光

 尾道駅に到着後は尾道ラーメンをいただき,徒歩で千光寺公園へ向かう。

尾道水道の風景
 千光寺公園へのアクセスを担う千光寺山ロープウェイの山麓駅まで徒歩15分ほど。酷暑の中歩くのも気だるいが,美しい尾道水道を眺めながら歩いていたら,ちょっと涼しいような気がしてくる。

 千光寺山ロープウェイの乗り場は長い行列ができていたが,ロープウェイがピストン運行*1していたので20分~30分ほどで乗車できたと思う。

尾道の絶景
 千光寺公園の展望台からは,尾道水道向島越しの瀬戸内海の絶景が。尾道は,人々の暮らしが詰まった箱庭のような街なのだという。乗り物好きの目で見ても,渡船がひっきりなしに向島尾道の間を結び,山陽本線普通列車や貨物列車が駆け抜ける。遠くの造船所の近くには尾道大橋が架かり,遠く四国にもつながっている。絶景だけでなく豊かな交通網をひとめで感じられる素晴らしいスポットだった。


 

 

*1:所要3分+乗降時間をあわせて6分くらいの間隔で運転していた