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はいいろノート

マニアックに楽しむ公共交通。画像はクリックすると拡大します。

津軽鉄道沿線から奥津軽いまべつ駅へショートカットする

 

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金木町のシンボル,太宰治の生家「斜陽館」

 

  今回の津軽旅行では,盲腸線になっている津軽鉄道乗り鉄して引き返すことをせず,2016年春に開通したばかりの北海道新幹線に乗車することにし,路線バスを使って津軽鉄道沿線から奥津軽いまべつ駅に抜けることにしました。

 津軽半島では鉄道線としての津軽鉄道が走っているほか,弘南バスが路線バスの営業を行っています。今回はこの弘南バスの路線を利用して,津軽鉄道沿線から奥津軽いまべつ駅へアプローチしてみます。

五所川原~小泊線(金木・中里経由) 斜陽館前→今泉北口

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 今回は金木で斜陽館を見学したり,ストーブ列車を撮り鉄したりしたあと,「斜陽館前」バス停から中里経由小泊ゆきのバスに乗車します。このバスは五所川原から津軽中里駅を経由して津軽半島先端に近い小泊まで走る比較的長い距離を走る路線バスです。

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 やってきたのはちょっと古そうな路線バスでした。車体側面に掲げられたサボにかなり年季が入っています。

 このバスに乗車し,まずは十三湖見物へ。先述したとおりこのバスは中里駅前も経由するので津軽鉄道との乗換も可能ですが,弘南バスの路線と津軽鉄道は競合関係にあるらしく接続はあまり考慮されていないようです。

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 バスを今泉北口で下車して10分ほど歩き,十三湖のほとりを見物。本州の奥地らしい荒涼とした光景,日本海からの強く冷たい風が印象に残っています。

中里駅前~奥津軽いまべつ駅前線 今泉→奥津軽いまべつ駅

 近くの食事処で十三湖名物のしじみ料理をいただいたあと(時間が微妙でかなり大急ぎでの食事でしたが),今泉バス停(今泉北口の2つ五所川原寄り)まで戻り,次に乗る奥津軽いまべつ駅ゆきのバスを待ちます。

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 この路線は北海道新幹線の二次交通として活用されることを想定して,津軽中里~奥津軽いまべつ間を結ぶ路線として沿線自治体が主体となって新幹線開通を機に開設された路線です。

 この路線はほかの弘南バス路線と異なり,沿線自治体が赤字補填を行っている路線です。さらに北海道新幹線の二次交通としての利用にある意味限定しているのか,奥津軽いまべつ駅ゆきは途中バス停で下車できないクローズドドアシステムを採用しています。バス停も途中3箇所しかなく,乗車機会がかなり限られているように思います。

 しかも新幹線と津軽鉄道を接続するバスとして新幹線→バス→津軽鉄道の接続は考慮されているようですが,その逆の津軽鉄道→バスの接続は絶望的によくないです。しかも1日4往復しかありません。今回単純に津軽鉄道北海道新幹線の乗り継ぎでバスを使わないで十三湖の見物に立ち寄ったのは,この接続の悪さが原因でした。

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 さてバスは津軽半島の背骨にあたる津軽山地を横断。この写真は峠にあたる部分を貫く「やまなみトンネル」。山地を横断するぶん,厳冬期は積雪がかなり厳しい運行になりそうです。山を降りて津軽線が走る大平に出ると北上してまた峠を越えて奥津軽いまべつ駅に向かいます。このバスの道中だけでかなりの長旅です。

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  バスは20分以上の早着で奥津軽いまべつ駅に到着。奥津軽いまべつ駅青函トンネルの保守基地,緊急時の避難駅としての性格の大きい駅です。駅前に道の駅と駐車場,数軒の住宅しかありません。

 こうして無事に津軽鉄道線沿線から奥津軽いまべつ駅まで抜けることができました。奥津軽いまべつは新幹線駅としては秘境駅に近い存在ですし,停車列車の本数も少ないのでこうやってアプローチして訪問できたのはかなり効率が良かったです。

奥津軽いまべつ駅津軽中里駅間のバスの今後について

 さて,この奥津軽いまべつ駅津軽中里駅間の路線バスですが,開通初年度から成績は良くありません。

 北海道新幹線奥津軽いまべつ駅青森県今別町)と津軽鉄道津軽中里駅(同県中泊町)を結ぶ2次交通として運行されている路線バスの利用者が、1便当たり平均0.89人にとどまっていることが9日、明らかになった。年間の赤字額は、当初見込みより約40%増える見通し。…(中略)…協議会は、地元住民や観光客らへの周知不足が利用低迷の主な要因と分析。新年度以降の利用促進に向け、運行地域や北海道南地区などを重点にPRを強化する方針を確認した。

<北海道新幹線>青森2次交通バス赤字40%増 | 河北新報オンラインニュース 

 1便あたり平均0.89人と,おそらく誰も乗せずに走っていることもあるように見受けられます。協議会ではPR強化などで利用増加を図ろうとしていますが,運行形態にも改善の余地があるように思えます。ただでさえ本数が少なく乗車機会も少ないとなれば,乗車率が上がらないのも致し方ないでしょう。

今回の旅行での乗車時刻と運賃

斜陽館前1305―(弘南バス・小泊ゆき)→1341今泉北口…十三湖展望・食事…今泉1423―(弘南バス・奥津軽いまべつ駅ゆき)→1505奥津軽いまべつ駅

斜陽館前~今泉北口:800円

今泉~奥津軽いまべつ駅:800円

津軽鉄道ストーブ列車

乗車日:2016.12.25

 青森県津軽地方を走る津軽鉄道では、毎年12月1日から翌年3月31日まで、旧型客車を使用した「ストーブ列車」が1日2~3往復運転されています。列車は定期列車に牽引(増結)される形で運転され、乗車には車両維持のための「ストーブ列車券」が必要になります。

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 日本でも数少ない旧型客車オハフ33の運行ですので、津軽鉄道乗り鉄も兼ねて乗車しました。この日は弘前泊で、お目当てのストーブ列車下り第一便(151レ)の乗車のために「リゾートしらかみ2号」を使って始発の五所川原に向かいましたが、小学生の団体客が多くストーブ列車は満員。151レでのストーブ列車乗車は諦め、牽引役の普通車で津軽中里までまずは乗り鉄です。

 ストーブ列車といえば日本では珍しい気動車牽引による客車運行。乗っているぶんには何かを牽いているような感じはなく普通でしたが、運転士が若干ブレーキ操作などに気を遣っていた感じはわかりました。

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 終点の津軽中里駅まで乗り通し、牽引の津軽21形の機回し(?)を見学。

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 そしていよいよ乗車です。客車内には石炭ストーブが2台あり、車内に入るとやわらかな暖かさに包まれます。

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 客車内には車掌のほか案内や車内販売を兼ねる係員が乗っていて、スルメを買えば名物のだるまストーブで焼かせてもらえます。このスルメ、けっこう噛みごたえがあり美味しかったです。

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 金木で下車し、太宰治記念館「斜陽館」などを観光したあとは、3本目のストーブ列車(153レ)を金木で撮り鉄。この日は2往復目以降(153レ、154レ、155レ、156レ)がDL牽引でした。旧型客車で冬季毎日ストーブ列車が運転されるのはここだけですが、DL+PC+DCで運行される列車はここ津軽鉄道だけでしか見れません。機関車牽引の有無は津軽鉄道株式会社のFacebookで確認できます。

  津軽鉄道が走る青森県津軽までは東京から遠く、珍しい列車が走っているわりには東京ではあまり注目度が大きくないように感じます。毎日運転のせいか乗客がとりわけ多いという感じでもありません。鉄道オタクが沿線で山ほどカメラを構えていたり、列車内を動き回っていることもありません。

 しかし冬季毎日運転で冬なら乗れるという「いつもどおりの感じ」が津軽鉄道トーブ列車の良いところです。臨時列車ではこのまったり感はなかなか味わえないでしょう。乗車はたったの15分でしたが、貴重な体験でした。

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 ちなみに津軽鉄道では乗車券類の発売が硬券で行われています。ストーブ列車券も例外ではなく、くわえて列車のきっぷにしては珍しく「お持ち帰りください」と明記されていて記念券も兼ねているようです。

 なお、津軽鉄道のストーブ列車の今季の運転は3月31日を以って終了しています。

リゾートしらかみ「くまげら」編成 ボックス席(B室)

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 秋田~青森間を五能線回りで運行する「リゾートしらかみ」。キハ48改「くまげら」、HB-E300「青池」「橅」の各編成で土休日を中心に1日2~3往復運転しています。日本各地で観光列車は多く走っていますが、多くは1本の観光列車が1往復するという形態。これだけの規模で観光列車が走っているのは五能線の大きな特徴です。

 さて、リゾートしらかみの各編成には通常の座席車のほかに4名で利用できるボックス席があります。

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 こちらが「くまげら編成」のボックス席の様子。ボックスごとにA~D席の4人分の座席が割り当てられていますが、一部のボックスを除いて6人くらいまで利用できそうな広さがあります。

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 ボックスはフルフラットに展開することも可能*1。足を伸ばしてゆったり観光できます。4人ほど集まれるグループ旅行でリゾートしらかみに乗るならぜひボックス席を利用したいところ。

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 リゾートしらかみのウリは五能線の風光明媚な景観。その景観をゆったりとしたボックスで、旅の仲間と語らいながら楽しめるのは素晴らしいことです。

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 こちらは私が乗車したリゾートしらかみ5号B室の指定席券。B室=ボックス席です。車内設備が異なるとマルス上で別列車扱いされることがありますが、リゾートしらかみの場合はそのような扱いにならず通常の座席扱い。その代わりに1つのボックスで4人以下の場合、相席利用になることもあり得るので注意。

 ちなみに、リゾートしらかみ5号は秋田を14時に発車して5時間かけて青森まで向かう列車。乗車したのは12月の終わりで、この時期は日没が17時ごろなのでウェスパ椿山を過ぎたあたりで日没を迎えてしまいました。そんなこともあってか、指定席券の確保は容易でしたが、そのぶん全体的に乗車率は低めでした。

 

参考サイト:のってたのしい列車 ポータル>リゾートしらかみ 「ブナ」HB-E300系・「青池」HB-E300系・「くまげら」キハ48形:JR東日本

*1:肘掛けが荒れているのは乗車後に何も考えず撮影したためです。

駅レンタカーのレール&レンタカー割引を佐渡島で使う

 新潟県にある佐渡島には駅レンタカー営業所があります。佐渡島は日本最大級の離島で、島内には路線バスの運行もありますが、島内を効率よく観光するにはレンタカーの活用が必須です。
 佐渡島には多くの業者がレンタカーのサービスを提供していますが、今回は新潟・福島方面への鉄道旅行を兼ねての佐渡島旅行のため、駅レンタカーのレール&レンタカー割引を使ってみました。

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LCCでゆく日帰り上海 Peach MM1079/1078 搭乗記

 Peachは2016年11月1日に大阪関西=上海浦東間の路線を、翌2日に東京羽田=上海浦東間の路線を就航させました。とくに東京羽田=上海浦東間は深夜羽田発・深夜上海発で日帰りで行ってねと言わんばかりの運航ダイヤになっています。

MM1079 東京羽田2:10→上海浦東5:00

MM1078 上海浦東1:25→東京羽田4:55

 (Peach公式HPより。2017年1月1日現在。)

 幸いにも就航開始記念セールで安い券が確保できたのでこれに乗って上海に行ってみました。

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2017年新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

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2017.01.01 小田原市酒匂海岸

ニューなのはな運転終了 お座敷外房号に乗る

乗車日:2016.7.3

 JR東日本千葉支社は,本年8月を以ってお座敷列車などの観光列車で運用されてきた485系改「ニューなのはな」を運転終了すると発表しました。そして7月から8月にかけて房総・伊豆の各方面に臨時列車を設定しました。

 そこで7月に小湊鉄道いすみ鉄道を使って房総半島を横断した際の帰りに,このときに設定された「お座敷外房」号に乗ってきました。

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 「ニューなのはな」は485系電車の改造車で,客車で運用されていた「なのはな」を置き換える形で1998年に運用開始しました。ボックスシートが配された座席と,畳がひかれた掘りごたつ式お座敷列車とが切り替えられるユーティリティ性の富んだ車両です。

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 車内はこんな感じです。お座敷タイプなのと乗客の入れ替わりが少ないという特性上からか,横になって寝たり一升瓶持ち込んで宴会したりするくらいなら全然OKなくらいのフリーダムっぷりです。テーブルと座席でわりと広めの面積を占有するので車掌さんも検札に一苦労のようす。

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 外装も見た目も一見まだまだ現役という感じの「ニューなのはな」ですが,畳やテーブルには長年の傷が……。種車は1970年代製造の485系181系で,足回りの経年劣化も相当あるのでしょう。

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 お座敷外房号は新宿~安房鴨川間で運転。いすみ鉄道や鴨川方面へのびゅうツアー商品向けに設定された列車で,車内はほとんどがツアー客でした。一般向けにも販売はされていましたが,ほとんどツアーで押さえられていたと思われます。今回は偶然えきねっとを見ていたら空いていたので購入できました。

 安房鴨川から新宿まで3時間半というのはかなりの鈍足で,大原などで長時間停車を行って特急を2本退避しています。しかし車内で宴会を開くなど,旅仲間との楽しい思い出を作るには長すぎず短すぎずのちょうどいい長さの乗車時間となっています。そして総武快速線内はほぼ各駅に停まり,千葉市から23区までの広いエリアの旅客を拾っていました。


 「ニューなのはな」の後継車両などについては発表されていません。最近のJRのジョイフルトレインといえば,JR九州の「ななつ星」に続いてJR東日本の「四季島」やJR西日本の「瑞風」など,富裕層向けの高級リゾート列車ばかりで,とても一般市民には乗車できません。リゾート列車がブームになり,「移動そのもの」に価値が求められてきている中で,お座敷列車というのは時代に見合わなくなってきてしまったのでしょうか?

 「ニューなのはな」は8月27~28日運転の団体臨時列車「ありがとうニューなのはな 南房総乗りつくしの旅」を以って9月25日運転の団体臨時列車「ありがとう485系ニューなのはな長野への旅」*1を以って運転を終了します。

*1:2016/08/25追記。このたび新しく設定されたそうです。廃車回送を兼ねた団体臨時列車か?