JR四国でもっとも収支が悪いと言われているJR予土線(北宇和島~若井)ではいろいろな観光列車が走っているが,春から秋にかけての週末を中心に運転されているのが「しまんトロッコ」だ。
日本各地でトロッコ列車は走っているが,しまんトロッコの特徴として JR 線内では唯一となる,トロッコが「貨車」由来の車両であることが挙げられる。国鉄トラ45000形無蓋車を改造したトロッコはキハ54形気動車に牽引される形で運行される。
列車名 | 宇和島 | 江川崎 | 土佐大正 | 窪川 | 備考 |
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しまんトロッコ2号 普通 8814D |
9:33 | 10:42 | 11:36 | 12:07 | トロッコ乗車区間 土佐大正~江川崎間 |
しまんトロッコ1号 普通 8819D |
16:00 | 14:51 | 13:58 | 13:21 |
近永駅できっぷを購入
今回は予土線の途中駅である近永駅から,しまんトロッコ2号である臨時普通列車 8814D に乗車する。
愛媛県鬼北町にある近永駅はきっぷ蒐集マニアには有名な,発券端末を使わずにきっぷをすべて手売りする駅だ。駅の窓口で「土佐大正まで大人2名,往復で」とオーダーすると,国鉄 OB という係員氏がさらさらっと慣れた手付きで出札補充券に記入していく。手書きのきっぷが,ものの数分で出来上がった。
その後,空いているタイミングで,趣味購入で常備券と補充片道券を購入した。近永駅ではこのほか料金補充券や補充定期券,Sきっぷなども取り扱っている(参考)。
しまんトロッコ2号 近永→土佐大正
やがて臨時普通列車 8814D はトロッコ車両を連結して近永駅に滑り込んできた。しまんトロッコはトロッコ列車といってもトロッコ客専用の列車があるわけではなく,普通列車に増結される形で運行され,トロッコ乗車区間までは普通列車の利用者と混乗となる。
愛媛県から高知県に入り江川崎駅に到着すると,トロッコ車両に移動。
先述したようにトロッコ車両は国鉄トラ45000形無蓋車の改造だ。全長8mほどしかなく,乗り込んでみるとその小ささにまず驚く。そのため車内は狭く,定員は40名(4名×10ボックス)だが,全員乗ったらかなり密集した感じになる。
そして動き出すと,2軸車両独特の揺れ*1が発生し,正直言って乗り心地は良くないが,かえってワイルドな感じがして「いかにもトロッコ」っぽさがする。2軸車両独特の「タッタッ」というジョイント音も良い。
予土線のうちトロッコ乗車区間を含む江川崎~若井間は鉄建公団が建設したトンネルと高架線が連続する規格の高い区間。高い目線で四万十川や沈下橋を眺め,トンネルに入ると涼を感じることができた。
ちなみに,予土線はいくつかある橋梁で四万十川の左岸と右岸を行ったり来たりするので,ボックスの左右で当たり外れは少ない。
トロッコの乗車は1時間弱で土佐大正駅に到着。この駅で反対方向の宇和島行きの普通列車と交換するので,そのまま宇和島駅行きに乗車して近永駅に戻った。
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*1:ピッチングやヨーイング